見出し画像

お金持ちほどケチなのには理由がある

親世代からよく聞く「お金持ちほどケチ」

私の母はお金のかかる趣味をいくつか持っている。それゆえに「お金持ち」と庶民から見て感じる人たちとの接点がそれなりにある。
また、母親世代となると女子は高卒で就職する層が多かったので、母の短大時代の友人は自然と裕福な家柄の娘さんたちが多い。

そんな母親が昔からよく言っていた言葉が「お金持ちほどケチなのよ」だった。
私がまだ小学生のころからよく言っていたと思う。なんなら今でもよく言う。

「○○さんちはお客さまが来ない限りエアコンもつけない」「××さんちはすぐ1円でも安く済ませようとするのよ」「みんなお金あるのにケチなのね」

こんなことを昔も今もよく言っていた。

母親に限らず職場のアラフィフ・アラ還たちも同じようなことを言っている。そして同世代のスタッフは親から「貧乏人ほどすぐそうやってお金を使うんだ」とアウトレットでの買い物帰りに言われたと笑っていた。

お金持ちほどケチは事実だと思う

これは私の推測でしかないが、おそらく親世代が感じている「お金持ちほどケチ」は事実なのだと思う。少なくとも彼・彼女らからそう見えるのは当然だと思う。
なぜなら一般庶民がパラパラとなんとなく「これくらいなら」とお金を落としていくような場面で財布の紐を固く固く締めているはずだからだ。

つまり、お金を使う場面が違うのだ。

友人がいない土地に住む私たちにはプライベートでの人付き合いなんて夫と両家の親族しかないので問題ないが、おそらく今の私たちが友人と遊んだら相手は「ケチだな」か「お金ないのかな」と思うだろう。

そもそもケチでなければ資産は築けない

世の中は「貯蓄ができる人」と「有り金を全て使う人」の2種類に別れると言っても過言では無い。(借金をひたすら作るという3種類目もあるがここでは割愛する)

それが分かりやすいものとして、単身世帯の年代別の貯蓄額がある。

単身世帯の平均貯蓄額
金融広報中央委員会「2019年 家計の金融行動に関する世論調査」より

この表で着目すべき点は、平均貯蓄額は年齢が高くなるとともに順調に増えているのに対し、中央値は30代から40代にかけて減る(40→50代も平均額と比べるとほぼ増えない)ところだ。
これこそ「貯められる人」と「貯められない人」の格差がはっきり見えるものとなる。
貯められる人たちがどんどん貯めて平均額を吊り上げる一方、貯められない人たちはずっと貯められないままなので中央値は下がる。

30代が一度ピークになる理由は「まだ結婚していない貯められる層が残っているから」で、60代で中央値が一気に増えるのは退職金によるものだろう。ちなみに2人以上の世帯だと中央値の方も60代まで順調に増えていく。

要するに、なんとなくで自由にのほほんと生きていたら目立った贅沢なんてしなくても貯蓄なんてできないのだ。

消費において100円は贅沢である

100円のスナック菓子、100gあたり100円程度の特売になった肉、某高級チョコレートの1粒150円チョコ…これらを見て「安いじゃん、買おう」と思っているうちは多くの人は貯蓄などできないと思った方がいい。
高級ディナー、高いホテル、ブランド品、高級車…いろいろな贅沢(いわば浪費)が世の中にはあるが、おそらく1番我々からお金を奪っていっているのは「100円くらいいいかな」の積み重ねだ。

150円程度からバラ売りをする高級チョコメーカー、650円くらいの新作ドリンクを2週間おきくらいに出す某コーヒーショップ、数百円のコスメメーカー、100円ショップ、ワンコインランチの飲食店…資産をしっかり蓄えようとする人たちからすれば「100円玉を吸い込むブラックホール」に見えているはずなのだ。

一方、一般庶民は「これくらいなら買っちゃおう♡」となるのでその差こそが「金持ちはケチ」と感じる要因なのだと思う。

お金持ちがお金を使うところとは

貯められない人たちが消費にお金を使う中、お金持ちたちはどこに使うのか…

もちろん「今後の出費を減らせるもの」か「お金を増やせるもの」に使う。
消費ではなく、投資としてならいくらでも使う。
教育、自己研鑽…そしてもっとシンプルに株や投資信託…。

庶民にとってお金は「稼いで消えるもの」である一方、お金持ちにとっては「増やせるもの」なのである。

毎日の100円で考える

毎日100円の自分へのご褒美…たぶん多くの人がやりがちだと思われる。私も少し前まではそうだった。
「1年でたったの3万6000円だもの」
多分そんな感覚。オタク界隈でいう「実質タダ」ってやつだったと思う。

では1年間、毎日100円を年5%で運用したらどうなるか…計算の都合上36500円を20年間運用する形にするが、「96,845円」になった。

この計算をしてからは私は毎度「このいちごオレは20年後の96,845円を犠牲にしてまで欲しいか?」と考えるようになった。(もちろん買うことはほとんどない)

結局、貯金とか資産形成というものは1円、10円、100円の積み重ねをひたすら長年繰り返してゆっくりと築いていくのが基本になる。だからお金持ちがケチなのはもう当たり前なのだ。

節約のしすぎは精神的に良くないと言う人もいるが、意外と幸福度は落ちない…どころか数十年後の未来が楽しみになるので私個人としては前よりも生きるのが楽になったと思う。SNSでキラキラしてる人達も「浪費じゃ〜」「配当金ありがとう〜」みたいになったので惨めに感じることも減った。

庶民には「あの人ケチね」と後ろ指さされるお金持ちの人たちも、おそらく自分たちがケチケチしてるとか節約しんどいとか思ってはいないのだと思う。

それではまた🙌

いただいたサポートはより良い記事作成のための自己研鑽として使わせていただきます。