選挙カーにたいする苦情
選挙の時に爆音でまわってくる選挙カーに殺意を覚えた人は少なくないのではないでしょうか。特に病気のお年寄りが寝ているときとか、乳幼児がお昼寝しているときとか、本気で腹が立ったことが私もあります。
しかも必死に候補者の名前を連呼したり、「あと少し、あと少しです!みなさまのお力が必要です!」なんて特に内容のないことを延々と言うだけで、聞きたいとあまり思わないかもしれませんね。私もウグイスをやったことありますが、特に候補者のことをよく知らなくても言うことは大体決まってます。選挙中に大きな政党の衆議院や参議院議員候補の車に乗っているウグイスさんは大体いつもはアナウンサーや司会業をしているなどのプロですから、上手に必死さを出してくれます。たまに候補者の奥さんとか、事務所の若い女性などがやっていたりもしますし、小さな党などだと普通に友人知人に頼んでやってもらったりもしているようです。
傾向として若い女性の声だと聞いてくれるらしいので、男性秘書や旦那さんがやることは少ないです。男性がやる場合はウグイスじゃなくてカラスと呼びます。女性でも年配の方がやることは少ないので、候補者の母がやっているのはあんまり見たことがありません。
選挙カーがうるさいということは、やっている側としても分かっているのですが、それでもやる理由はいくつかあります。
①駅に立っていれば大勢の人が見てくれる都市部と違い、山間部など田舎の方では、アピールする方法が他にほとんどない。
②市議会議員選挙くらいの範囲ならまだしも、国政選挙となると選挙区が広すぎて車じゃないと網羅できない。
③どちらにしろ選挙活動はものすごく色々なところへ移動するので、選挙カーで移動時間も宣伝したら効率がよい。
④演説するときにも役立つ。そのまま乗り付けて屋根に乗ってもいいし、乗らなくても車を置いておくだけで目立つ。
⑤最後にこれもけっこう大きな理由じゃないかと思うのですが、派手な活動のわりに、比較的体力的に楽である。
その代わり、やる側のデメリットもあります。騒音の苦情以外にも、
①まず車自体にお金がかかる。車を作るのも要件が色々細かいので、選挙カーを作ったことのあるところへ頼まなければならないし、特注なので高い。具体的にいくらかというとピンキリなのでなんとも言えませんが、最低でも100万はかかります。
②ガソリンの消費も半端ない。前に地球何周分のガソリン代をごまかしたのなんだのというスキャンダルがありましたが、たしかに地球何周してるか分からないくらい車を走らせるので本当にガソリン代がかかります。
③エコに程遠い。こんなに二酸化炭素を出しまくる活動を毎日毎日していていいのだろうかという疑問が湧いてきます。地球のために選挙活動を辞めた方がいいんじゃないかと思えなくもない。
④腕のいい運転手が必要。選挙カーはただでさえ目立つので、運転マナーがなっていないとむしろマイナスの宣伝になってしまいます。スピーカーを屋根の上につけているぶん車高が高くて、街路樹やトンネルなどにぶつからないように気をつけなければなりません。それに万一事故を起こした場合、ニュースになります。絶対に事故を起こしたらいけません。選挙中に事故を起こしたら落選すると思った方がいい。なのでプロの運転手さんに頼みたいところです。でもプロの運転手さんは大体どこかの団体に所属していて(バスとかタクシーとか)、その団体が支援している候補者のところにしか、なかなか来てくれません。
ちなみに、あまり知られていないかもしれませんが、選挙期間中の車やガソリンや運転手代は上限はありますが税金から出ています。お金のない候補者でも選挙に出られるようにしているのでしょうけど、もし選挙カー自体を全面禁止したら税金がどのくらい浮くのか興味がありますね。だって一つの選挙の一つの選挙区から何人も、区によっては何十人も候補者が出ていて、そのたび車のための税金が出て行ってると思うと、相当な額になるのではないでしょうか?
こういったメリット・デメリットがありつつ選挙カーを使っているわけです。東日本大震災のときガソリンが不足して選挙カーをやめた方がいいのではという議論がされた時も、結局まわりを見た限りどの陣営も選挙カーを回していました。
それにしても上記のデメリットは選挙する側のものですが、有権者側としては選挙カーには「うるさい」というデメリットしかないですよね、きっと。選挙カーを回す側も、苦情が来るのは織り込み済みです。それでも回すのは苦情や他のデメリットよりもメリットの方が大きいからです。
ちょっと前置きが長くなりましたが、ではどのくらい苦情が来るのか?
毎日シンママ子育ていろいろを書いています。ときどき政治家秘書ネタも書きます。サポートしていただけたら嬉しいです! よろしくお願いします!!