見出し画像

息子が初めて話したフランス語

息子が5歳の夏にいきなりフランスへ引っ越しました。別に何の仕事も見つけていませんでしたし、家もないし、ただ単にビザを取ってスーツケース2つに荷物を詰め込んで飛行機に乗っただけです。

細かいところは省きますが、いろいろあってようやく部屋を借りられることになり、息子を現地の幼稚園に入れることになりました。今から考えるとけっこう無謀です。息子はフランス語も英語も話せないのに、誰も知らない、何を話しているのか全く分からないところへ、ある日突然行かされるとは。

幼稚園は借りる部屋の住所で決まっている公立のところで、市役所で教えてもらいました。一日目に行くとき、おとなしい息子が私をぶったりして怒っていたのを覚えています。相当嫌だったのでしょうね。でもトイレという言葉だけ教えて幼稚園の先生に託しました。翌日、行くのを嫌がったかどうかはもう覚えていませんが、迎えに行ったときに先生が「今日、初めてフランス語を話しましたよ」と教えてくれました。早い!「何と話したのですか?」と聞くと、朝の会で、先生に名前を呼ばれた子が「出席しています(présence)」と返事をするらしいのですが、それをちゃんと言ったのだとか。すごい。初めて話すフランス語が présence とは。

いや、でも実はもっと前に、まだ1歳の頃少しだけパリに滞在していたとき、私と毎日公園に行くだけの生活でフランス語を習ったり全くしてないのに、突然フランス語を話したことがあります。ある日、滑り台で遊んでいて「ちょっとごめんなさい」という意味の pardon を他の子に対して言ったんです。耳を疑いました(笑)だって1歳でまだ日本語もそんなに話し始めて経っていないのに、すべり台をすべるお子さんが何人かいる中で自分がすべるとき、パードン、と言ったんですから。

子どもってすごい。フランスの公園に毎日いただけなのに、他の子と遊具を共有するときには、他の子が話している言葉を話した方がいいのだと判断して、発音も完璧にいきなり話し始めるとは(笑)

なので、息子が一番初めに話したフランス語は、よくよく遡ると、パードン、でした。子どもの語学習得は、誰に文法を習うでもなく、この場面でみんながこう言っているから自分も言ってみようと、どんどん実践してできるようになるものなのですね。

幼稚園に行って何も言葉が分からなかったのはほんの少しの間で、息子は半年後には完璧なフランス人になっていました。

毎日シンママ子育ていろいろを書いています。ときどき政治家秘書ネタも書きます。サポートしていただけたら嬉しいです! よろしくお願いします!!