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私達の灯りの人に
ちょうど、2年前noteでバズりましたね。
そのnoteを印刷してコピー機の辺りに貼ってくださったあなたに贈るnoteです。
このnoteは印刷してあなたのおうちのどこかに置いてもらえたら嬉しく思います。
あなたのお父さんはこんなに頑張っていたことをいつかあなたのお子さんに知ってほしいと思うから。
「出会っては別れてく
人は
細胞を駆け抜けていく」
2022-2023ハンドボールプラネットのテーマソングだったLEGEさんの「Light of heart」。この歌詞を幾度となく反芻した1年間だった。
この春、私達が応援していた推しが引退した。
一人称は「私」では足りなかった「私達」だ。
彼は私達の「Light of heart」でした。
しんどい時に苦しい時に、暗がりの向こうに見える灯りの人だった。
その「私達」の思いに添う文章が果たして今の私に書けるのか、私はおっかなびっくり書いている。
私はハンドボール選手はハンドボールがしたい人達だと思っている。
私はハンドボール選手は勝ちたい人達だと思っている。
この春小学生ハンドボールを卒業した息子の話だが、5年生の時チームのビギナーチームのメンバーになり試合をした。
ビギナーチームなので、大敗をした。
それでも息子は笑顔でチームの中で声を出していたっけ。
ところが。
試合中ずっと笑顔だった息子が車に乗るなり「勝ちたかった…!」
と泣くのだ。母に涙を見られまいと窓の方をそっぽを向きながら鼻をスンスン鳴らしていたのだ。
圧倒的な力の差があったのにこの子は全然諦めてなかったのかと私はびっくりした。
だから真剣にやればやるほどハンドボール選手は試合に出て活躍したいし勝ちたいものなんだと私は思っている。
私達の推しは度重なる怪我もあり日本ハンドボールリーグでは試合出場時間は短かったと思う。
引退コメントの中で「どうしてもこのチームに入りたくてトライアウトで選手兼マネージャーとして入団した」と書いてあった。
怪我をする直前だっただろうか、「なりふり構わず勝負する」とツイートしていたこともあった。
試合時間は短くてもとても熱い思いがありそれは伝わってきた。
怪我の影響もあり試合に出られなくても、一生懸命チームの為に環境を整え、アップはひたすら声を出して、試合会場をMCで盛り上げていた。ファンにもとても優しく接してくれた。
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その頑張りは間違いなく美しかった。
けどファンの最後のエゴで勝手ながら言わせてほしい。
その美しさは、ただの美しさじゃない。
ハンドボール選手はハンドボールがしたいし、勝ちたい。
だからあの美しさは本当はたくさんのたくさんの悔しさと涙を乗り越えた先に彼だけ見つけた美しさだったんだ。
ただの美談ではなくてやっとたどり着いた場所だったんだ。
だから私達は彼を推したんだと思う。
2月、そんな彼と彼のチームメイト達が最後にみせてくれたハンドボールを感謝と共にきっと私達は忘れない。
野球の神様ってよく聞くけど、ハンドボールの神様もいるんだなと思った。
プレーオフの日、彼はいつも通り誰よりも声を出し、応援団の方とコミュニケーションをとって、コート外から試合を見守っていた。
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ハーフタイムには両方のベンチの椅子をキチンと並べ、両方のチームのベンチの足元を雑巾で拭いていた。
そしてその雑巾を床に置こうとして、「雑巾で滑ったら危ない」と思ったのか何か台の上に置き直していた。
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プレーオフは惜しくも激闘の末準優勝に終わった。だが、彼の目に涙はなかった。
その代わりに彼のチームメイトが彼を抱きしめて泣いた。
そして最後に、多分この後どこかに片付けられるであろうベンチの椅子を丁寧に並べなおして、床を雑巾で綺麗に拭いて、彼のハンドボール選手としての人生が終わった。
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「出会っては別れてく
人は
細胞を駆け抜けていく」
私達にとって彼を応援し見つめた日々はこれからも細胞を駆け抜けていくだろう。
もう試合会場で姿を見られなくても、自分の心の中に彼の灯りは存在し続けるんだろう。
そして自分が暗闇に立った時、彼の努力と強さを思うんだろう。
「ありのままで
信じた道をゆけ
願いの全てを叶えよう」
彼にとって願いの全ては叶わなかったのかもしれない。
でも、これだけは言わせてほしい。
私達ファンが願った全てを、彼は叶えてくれた。
幸せなファンで居させてくれてありがとう。
最後にゴール決めてくれてありがとう。
すばらしい時間をありがとう。
明日から新しい年度が始まる。
「出会っては別れてく
人は
細胞を駆け抜けていく
心からのエールを君に贈るよ」
彼の想いはそれぞれの心をこれからも駆け抜けていく。
私達の心の灯りであった人に。
寂しいけれど、優しかった笑顔を思いながら心からのエールを贈ります。
ありがとう。
頑張れ!!
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「The time has come we've got move on!」
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