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やっと3人目願望から解き放された気がする話


私の夢は子どもを3人持つことだった。

13歳の頃に書いた20歳の私への手紙の中に、
「20歳の自分へのメッセージ」と、
「13歳の私が考える20歳以降の人生プラン」
が書かれていたんだけど、将来子どもは3人で、上から女の子、女の子、男の子。それぞれの名前候補も考えられていた。

恐ろしい13歳の私…!

私自身が弟との2人兄弟で育って、とても楽しかった。

でも同性の姉妹が欲しかったし、もうひとり兄弟がいたらいいなとずっと思っていた。

だから必ず同性兄弟ができる3人兄弟が小さい頃からの憧れだった。


その願望を持ったまま大人になり結婚し、ありがたいことに2人の男の子に恵まれた。

そして2人目を生み終わった直後の感想が「これをあともう一回かぁ…辛いなぁ!」だった。

2人を生み終わった直後に3人目のことを考えているとは自分でも驚いた。


そして2人目が1歳を過ぎたころに3人目の妊娠が発覚。

計画したものではなくて、予定外の妊娠だった。

私は「やったー!念願の3人のママになれるー!」と思った。

でも夫に伝えると落胆しまくっている。

え…。

夫からは、「もう2人でいい。手一杯だ。3人目は要らない」と言われてショックを超えた絶望感。

それでも宿ってくれた命、夫と離婚してでも私は育てる!という覚悟でいた。


でも結局流産してしまった。

きっとこの悲しみは経験した人にしかわからないと思う。大人になってここまで涙を流したことはなかった。

夫はホッとしただろうか。しただろう。

私は打ちひしがれているのに、夫は安堵していると思うと、悔しくてやりきれなくてしばらく口もきけなかった。


私の心にはおおきな傷ができてしまい、その後は妊婦さん、妊娠マークを見るたびに胸が苦しくなって涙が出た。

友人の妊娠報告をLINEでもらうと、強張った顔で「おめでとう〜!!」と返信した。


夫とも複数回話し合った。

私があまりに落ち込んでいる姿を見ていたからか、「ある程度期間が経ったら3人目を考えられるかもしれない。」と言われて舞い上がる気持ちだった。

それでもやっぱり普段の言葉の節々から夫は息子2人で十分だということが感じられたし、流産からしばらく経っても3人目は作りたくないようだった。

こうやって永遠に私だけ3人目をのぞみ、夫は息子2人で満足、というすれ違いが続くのか…と考えて悲しくなっていた。



とある海外ドラマで、子どもたちがある程度大きくなってきた夫婦が、もしかしたら妊娠したかも…というシーンがあって、妻側が

「もう赤ちゃんのお世話は終わりだと思っていた。仕事も軌道にのっているのに…。」

と落胆していて、結局妊娠はしていなくて、その妻は安堵してすんごく喜んでいた。

「妊娠してなくてよかったー!」って。

それを見て「妊娠してなくて良かった、なんて感じることなんてあるの?信じられない」と思った。




でも、あの流産から3年以上経ち、最近やっと私もその海外ドラマのママさんの気持ちがわかるようになってきた気がする。


もちろんここまで来るのにかなり時間がかかったし、ゆっくりゆーっくりと気持ちが変化してきたと思う。


周りにも「3人目欲しい!」と言い続けてきたけれど、いつからか、「今いる2人でおわりかな」と言うようになった。

口では「子どもは2人で十分!これ以上はもう無理だ~」といいながら、内心はまだ3人目をあきらめきれていない自分がいた時期もあった。


でも今は本当に素直に、「今のかわいい息子たち2人で最高だ!」と思っている。


これから3人目の赤ちゃんを育てることよりも、今いてくれている2人の子育てに注力したいと思えるようになった。

サッカーの試合を見に行きたい、
アスレチック遊具で遊びたい、
遊園地でジェットコースターに乗りたい
海外旅行に行ってアクティブに遊びたい

乳児子育てが終わり、幼児小学生のフェーズに入ったので、そちらにフォーカスしたい。


やっとおむつも着替えもマグもおもちゃも持たず、おおきなマザーズバッグから解放されて身軽に出かけられるようになった。

兄弟二人で遊んでくれるし基本的な身の回りのことは自分たちでできる。ずいぶん楽になったものだ。

自宅の赤ちゃん用品を処分してスッキリしたい
自分のことにも時間と労力を注ぎたい。
自分の体を気にしたり子どもに縛られない服を選びたい

そんな思いが強くなってきた。


この間ベビーカーで赤ちゃんがお昼寝しているタイミングでカフェでコーヒーを飲んでいるママを見て、

「私も同じことしてたなぁ。お昼寝時間が貴重なんだよなぁ。赤ちゃんめっちゃかわいいなぁ。」

「でも、私はあの頃にはもう戻りたくないなぁ。」

というのが率直な気持ちだった。

そんな風に思っている自分自身にも少し驚いたけど、「あ、私もう大丈夫なんだ」と思った。



正直、我が家と同じく男男と来て、最近念願の末っ子長女に恵まれた息子の友達ファミリーを見ていると、羨ましいなという気持ちは確かにある。

でもじゃぁ今、また赤ちゃんがいる生活したいか?と言われたらそれもやっぱりNoであって。

やっとここまで来た、これからの少し大きくなってきた子どもたちとの時代を楽しませて~と思うし、基本ワンオペな我が家、赤ちゃんができたことで息子たちに我慢を強いることもしたくなかった。

今彼らがやりたいことを可能な限りやらせてあげたい。

だから、もういいんだと思う。私はずっと強く持っていた子ども3人願望から解放されたんだと思う。


ずっと3人の母になることが夢ではあったけど、女の子の母になるのが夢ではあったけど、かわいくてたまらない2人の息子たちの母になった。

そしてこの大事な大事な息子たちとたくさんの思い出を作り、たくさんのことを伝えて、大人になったら社会にお返しするつもりで育てていく。

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