信じる者は救われた⁈
きっとこれから書くお話しは信じない方のほうが多いと思うけれど、あえて書いてみようと思う
長男はまだ生後間もない頃、お寺で行われた法要で私に抱かれ境内を抜け、法要の為の席へ一歩足を踏み入れた途端に火がついたように泣き出した
それまでご機嫌で空や木々をおそらく眺めていただろうに、だ
その声にお寺の住職がタッタッタッと軽い足取りでやって来て、泣いている息子の頭を優しくそっとひと撫ですると、何故かピタリと泣き止んだ
そうしておもむろに
この子はきっと大人には見えない何者かが見えるんじゃよ
そしてそれから家族を守ろうとしておる
そう言い、部屋の片隅にある立派な屏風を指差し
あの世界が見えたんじゃなぁ
と息子に優しく微笑んでみせた
そこに書かれていたのは地獄絵図
人が死に、まずは地獄へ落とされて、そこで閻魔大王に裁かれーといった世界が屏風の中に描かれていたのを私自身も食い入るように見たのでよく覚えている
と、それからの長男は成長していく中でいわゆる霊感と呼ばれるもののせいで、道端だったり、遊んでいる公園だったりでいろいろなものが見えていたようだが、私はずっと知らずにいた
私にはそうした霊感は全くと言ってよいほどないけれど、実母が凄い人なので私はなんとなく納得しているのだが
母の話しはまたの機会に
まずは一旦話しを息子に戻します
息子、娘が小学生だったある日、娘の習い事のピアノの発表会がよく知らない場所で行われる事になり、運転するはずだった主人に仕事が入り、急遽私の運転で息子、娘を乗せて行く事になり、当時は車にナビもなく、私の頭の中の地図を頼りに出発
行きは太陽も照り明るい時間だったのでさほど迷う事なくなんとか現地へ到着
ところが帰りはもう薄暗く、辺りは行きとは別物に見える中、家路を急ぐ車の波に乗っているはずなのに何故か鬱蒼とした森のような所へ入りかけて
そっちはダメ
と長男にやんわり注意され、また次に行き止まりへ着くと
だからそっちじゃないって言ったのにと運転もした事のない長男からの言葉に内心イラッとし、疲弊してきた中でようやく朝も通った踏切が目に入り、ホッとし、向かおうとした所、ずっとやんわりだった長男が
行っちゃダメ!
と、唐突に叫んだのです
え? でもここ朝も通ったよ?
そう言う私に
ダメったらダメ! 違うとこ行って!
あまりに必死に言い募るし、娘までもが
そこはダメ!
なんて真似するように言うので、流石に何かあるのかも?と思えて、踏切の手前で急遽避け、よくわからない道を進むしかなくなり、また家路が遠くなった気がしていました
しばらく車を走らせていると、電車の激しい警笛の響き渡る音が少し遠くで聞こえていました
それでもその時は帰るのに必死で何も気にせず家路を急ぎました
かなり時間はかかりましたが、なんとか家に着き、遅くなった夕食を用意しながらなんの気なしに点いていたテレビに目をやり、そこでアナウンサーが口にした場所にハッとしました
そこはあの時息子たちに道を変更してと懇願された踏切で、家路を急いでいたのか遮断機のない踏切だったからなのかは分からないけれど、無理やり渡ろうとした車と侵入してきた電車が接触事故を起こし、車は大破し運転手は大怪我を負って病院へ搬送されたと速報が流れていたのです
背筋をイヤな汗が流れました
もしあの時、息子の必死の言葉を無視していたら、ニュースに流れていたのはもしかしたら自分たちだったかもしれない、そう思うと信じた自分と、昔住職が言っていた言葉がカチリと嵌り、隣りでマンガ本を読んで大笑いしている息子がやけに神々しく見えたのは言うまでもありません
まだまだほかにもあるけれど、それはまたあるかもしれない機会に、是非
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