KANBANとKANBAN EV

こんにちわ。NAOと申します。

この記事は、ボドゲ紹介 Advent Calendar 2021 8日目の記事になります。
昨日はまよさんによるビンゴリノの記事でした。ギュンター ブルクハルトといえば変則トリテですが、ビンゴにまで手を伸ばしていたのですね。すごい!彼の作品ではドルイドやウィリーが好きです。

さて、今回紹介するKANBANとは巨匠ヴィダル・ラセルダが2014年に発売した自動車工場の生産ラインをテーマにしたボードゲームです。その6年後2020年にビジュアルデザインがイアン・オートゥルの手によって一新され、ルールのアップデートもがおこなわれたうえ、昨今のエコ意識の高まりの流れに沿ってテーマがガソリン車の生産から電気自動車の生産に変わったKANBAN EVが発売されます。
今回は、その2作品を紹介したいと思います。
(カンバンにはもう一つ、KANBAN無印のコンポーネントが若干変更されたドライバーズエディションというのが存在するのですが、今回は割愛します。持っていないので!w)

箱の大きさはかなり違います

※車作るゲームなのになぜタイトルが看板なの?海外のゲームなのになんで日本語?という疑問が浮かぶ方もいるかと思いますが、これはトヨタ自動車の発明した「カンバン方式」と呼ばれる生産方法が元になっているためです。詳しくは私もよくわかっていないのでウィキペディアを参照ください。

箱絵

さて、まずは、両者の箱絵比較。
若干、泥臭い無印にくらべEVの方は洗練された感じです。
EVがショールームだとすると、無印は工場そのものですね、
そして無印絵の右がわ、組み立てられる車をガラスの外から眺める女性。彼女がこのゲームの主役と言っても良いスーパー工場長、サンドラ女史です。彼女にはEVの箱絵にもおしゃれな感じで登場してほしかったです。

KANBAN 無印
KANBAN EV

ボード

楕円形のテストコースや、生産ラインのベルトコンベアなどの共通点が散見されます。レイアウトもほとんど変わってしまったのですが、なんとなく似ています。

KANBAN 無印
KANBAN EV

右が無印のサンドラさん、左がEVのサンドラさんです。EVのほうが立派ですね。手に持っているふうに印刷されているクリップボードが特徴的です。

サンドラズ

車の駒もEVのほうが高級感が漂っています。まあ、ゲーム自体の値段が倍くらい違いますので当たり前といえば当たり前なのですが・・・

手前が無印、奥がEV

個人ボード

個人ボードもEVのほうはダブルレイヤードです。ゲーム自体の値段が違い(以下略)

上が無印、下がEV

ゲームの基本部分は両作品でそれほど大きく変わっていません。
アクションスペースにワーカーを配置し、アクションを実行するワーカープレスメントです。プレイヤー自身に手番順は固定されておらず、アクションスペースの解決順序が決まっているのでその順番にアクションの実行、次ターンのワーカーの配置を行います。

流れ的には設計部門で設計図を手に入れ…

無印
EV

物流管理部門でパーツを発注し(ここがカンバン方式)…

無印
EV

組み立て部門で自動車の生産を行い…

無印
EV

研究開発部門で走行テストを行い、部品の改良をしたり車を獲得したりします。

無印
EV

プレイヤーの使命は効率を良く車を生産することです。そのためには各部門で訓練を行いより生産性をあげなければなりません。

各アクションスペースは2~3のシフト(アクションポイント)を持ち、このシフトを割り振ることでアクションを実行します。残業を行うことで最大4までシフトを増やすことができます。

無印のアクションスペース
EVのアクションスペース
残業がどれくらいできるかはこのように記録しておきます
(画像はEVのもの)

ここで、前述のサンドラ工場長の登場です。
彼女は、常に各部門を見回り(プレイヤーのいないアクションスペースに入ってきます)、プレイヤーたちが頑張っているか評価しています。彼女はプレイヤーと同様、アクションスペースの順番に各部門を訪れます。

査定中・・・・

彼女が立ち寄った部門において、最も訓練を怠っているプレイヤーが、一定のノルマを満たしていないとお仕置き(減点)をくらいます。ここで、前述の残業が少ない人(シフトのストックがたくさんある人)ほどお仕置き度合いが(減点)少なくなります。残業をたくさんしているのに生産性の低い人はより怒られるわけですね。なんか悲しいけど、うまくできているなぁ。

無印の訓練トラック
EVの訓練トラック

女史が来るタイミングは予測できますので、先回りして訓練度を上げておく事が大事です。(予め上げておくに越したことはありません。)

テストコースのペースカー(ペースカーはテストコースから車を完成させたとき進みます)がコースを半周すると「会議」が発生し、サンドラさんが自室(管理部門)に戻ると「決算」が発生します。

会議ではプレイヤーは自身の成果をサンドラさんに発表します。発表の順番は訓練によりどれだけ習熟度を上げているかの順番です。
今季の目標は予め決まっており、目標に対してどれだけ実績を上げたかで得点を得ます。同じ目標に対して複数の人が発表できるのですが、同じ発表を繰り返すとサンドラさんが飽きてくるので、得られる得点は同じ発表をするたびに少なくなります。なので、発表順で先手を取ることは重要なのです。また、発表するためには、アクション中に実績を上げることで発言権を得ておかなければなりません。

無印の会議室
EVの会議室

これが発言権駒

左がEV、右が無印。
無印の方は椅子ですが、EVでは吹き出しマークとなっています

決算では、個人ボードに生産された車の台数、その品質によって得点がもらえます。

会議と決算が一定回数発生するとゲームは終了します。

大雑把なルールは以上です。難解な重量級ゲームと思われがちですが、意外と簡単でしょ?

まとめ

KANBANはラセルダ作品にありがちの、初回何やればいいのかわからなくなることが多いゲームです。ただ、見通しは良いので何を行えば次の行動につながるかがわかりやすく、数回手番が進めば次やるべきことが見えてくるでしょう。得点を得るためには、車の獲得、設計図の改良、会議の目標達成が重要です。これらを注視していれば点数は上がります。うまく同部品での設計図の改良を集めることができれば、意外と高得点になります。あと、やることが無くて困ったときは訓練です。全シフトを訓練に費やしても弱い手ではありません。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます。
ボードゲームアドベントカレンダーの参加は今回で2回めとなります。今回も去年に引き続きラセルダ作品の紹介となりました。
来年はウェザーマシーンが発売されます。私自身のラセルダ熱はまだ覚めそうにありません。日本語版も発売されますし、ラセルダ作品を楽しんでくれる人が増えるといいなと思っています。重量級ゲームも良いものだと間口が広がってくれれば!という気持ちです。
コロナ禍も収まって来たような感じですし、来年はラセルダ会を再開したいですね。

明日はハルバラドさんによるドラコ1&2の紹介です。ハルバラドさんにはいつもおすすめの珠玉ゲームを楽しませていただいて感謝の限りです。ドラコは未プレイなので記事が楽しみです!

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