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朝日新聞が文字拡大

※2023年5月8日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。


 朝日新聞は5月1日付朝刊から、一部紙面の本文文字の大きさを拡大しました。対象面は朝刊の1~3面、社会面、それに社会総合面で、夕刊と土曜別刷りbeにも導入されます。

大阪本社版から

 4月5日付朝刊の社告によると、文字の横幅は約3.9mmのまま変わりませんが、扁平率を抑えて縦幅を約3.3mmから約3.6mmに大きくしたということです。

 これにより1段に入る字数は12文字から11文字へと少なくなります。また1段の行数も72行から70行に減少しました。仮にすべてを文字で埋めた時の文字量は10.9%減となります。

 文字は太くなったとは言え、これだけ文字が少なくなるので、紙面の見た目もかなり白っぽい印象を受けます。

 ちなみに1面コラム「天声人語」は602字のまま維持されています。

 朝日新聞社メディアビジネス局の営業サイト「広告朝日」に掲載されている、広告紙面表の「2023年4月1日~2024年3月31日」のものと「2023年5月1日~2024年3月31日」のものを比較すると、月~木曜朝刊の「社会総合」面で記事下5段分(15段組での5段の意味。実際は12段組なので4段分に相当)の広告スペースが撤廃され、記事に充てられることがわかります。

2023年5月1日付朝日新聞大阪本社最終版の2面より

 文字拡大初日の朝刊は1面トップに、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員でウクライナの捕虜となった男性5人に朝日新聞が取材した証言に関する記事を掲載。2面、4面にも関連記事を展開しています。紙面の量的な情報減に対し、質的な情報の担保をイメージする格好です。

 今回驚いたのは、2面の関連記事で、図解が本文に“侵食”していた点です。一瞬、紙面事故に見えかねませんが、紙面の有効活用ということでしょうか。文字が大きくなり紙面設計の制約が強まる一方、逆に文字が大きくなったことで多少の力技では可読性に影響しなくなったとも言えそうです。


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