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鬼門とサル痘

   NHKの「京コトはじめ」という番組で知ったのだが、京都御所の鬼門(北東)部分の塀が敷地内へへこんだ形になっており、鬼門から魔物が侵入するのを避けているとのこと。この場所は角欠けとも呼ばれ、烏帽子をかぶり、御幣を持った木彫りの猿が祀られていることから猿が辻と呼ばれる。

 この猿は正に鬼門を護っているのだが、何故猿なのか?それは方角でみると、北東は丑寅。その反対側の方角が南西未申なので猿。猿は御所を護る日吉大社の使いであり、勝(まさる=魔が去る)、追い去る(さる)に通ずるので、猿とされたらしい。

 なお、北東の護りには猿の置物の他、南天を植える(難を転じる)や盛り塩等の手法があるとのこと。

 ところで、平安時代最恐の魔物は実は死に至る疫病であった。その魔除けだった筈の猿。今はサル痘などという有難くない名に使われてしまった。最近国内で猿の被害が増えているが、お猿さん、冤罪(猿罪?)に怒ったかな?


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