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日本の怪談・女は怖い。

 日本4大怪談は四谷怪談・牡丹燈籠・番町皿屋敷・累ヶ淵。

 この内、お家騒動の色合いが強い皿屋敷を除くと、当時の男が感じたある場面での女への怖れを書いた物になっている。

 四谷は出世と若い嫁を得る為に糟糠の妻を殺害する男の話。

 牡丹は女の求めに応ずる形で恋を続けてきたが、このままでは身が持たない(身を滅ぼす)と思っていたのに逢瀬を続けてしまう男の話。

 知名度の低い累ヶ淵はかなり長い因縁話だが、歌舞伎等で良く取り上げられる豊志賀の段に焦点を当てると、歳上の三味線の女師匠と恋仲になる若い男が、別の若い女とも恋仲になる。やがて男は若い女に心を移す。師匠の方は男の心代わりに気付き恨みを残しつつも、原因不明の病気(顔面に出来物)で他界する話。

 いずれも男はどこかで女を怖れ話にし、話の上だけで女の怨念が男を破滅させることにより恨みを鎮魂しようとしたのではと思う。話だけで恨みが消えたのかは定かではないが。


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