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犬の進化

 最近、自分の住む都市近郊ではとんと犬小屋を見かけない。番犬が吠えるのや、犬の遠吠えもほぼ聞かれない。原因はもはや犬が屋外で飼う動物ではなくなってしまったことによるのは容易に想像出来る。犬の鳴き声ももはや騒音の範疇に入るので、鳴き声をさせたらクレームの対象であろう。もっとも最近の愛犬家にとって犬を屋外で飼うなんて信じてもらえないし、もはや外で飼うこと自体が動物虐待の領域かもしれない。更に外で見かける散歩中の犬を見ると、服を着ていない犬が少数派になった。愛犬家の中には服を着せないのは裸と同じで恥ずかしいと考える人もいる様だ。
 ところで、最近のペットショップを覗いてみると、選り取り見取りの愛犬の服どころか色々な用品があり、犬を飼っていない自分には大きな驚きであった。又、餌についても犬種、年齢に合わせて数々の餌があり、ある意味人間より豪華かもしれない。昔実家で飼っていた犬は残飯整理係で人間の食べるものなら何でも食べさせていたが、今犬を飼っている人にはドッグフード以外のご飯をあげること自体が理解が出来ないことで、残飯なんぞあげたら動物愛護協会から苦情がきそうだ。
 元々犬というのはとても遺伝子がゆるいので、環境に合わせてどんどん犬種が分化していったという話がある。近年、人間の犬に対する飼い方によって更に犬はペットとして進化し、益々人間の暮らしに同化しつつある。そのことはペットとして扱う人間にとっては更に愛玩する存在としての価値は増していることを意味しているのだが。
 先日の雪の日に犬を抱いて散歩しているご婦人を見かけた。犬が雪を嫌がったのか?それともご婦人が犬を可哀想だと思ったからかは分からない。犬を飼っていない私にとっては謎だ。
 さて、犬はこれからどんな風に進化していくんだろうか?それは犬という種族にとってどの様な意味を持っているのか?後世の研究家しかわからないかもしれない。

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