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過渡期と可能性の美学
過去に対する憧れのような視線が差し向けられる時代というのは、大抵過渡期であるように思う。近代国家成立への過渡期であった明治時代、あるいは焼け野原から現代的な都市生活への過渡期であった戦後の昭和期、などなど。さらに小さな規模で言えば、子供から大人への過渡期として捉えられる高校時代が「青春」として称揚されがちなのも同じことのような気がする。
しかしよく考えてみると、どの時代、どの瞬間であってもある側
読書、サブスク、コンテンツ
本は紙のものを買って読むのが好きだ。その理由はいくつかあるが、一つ挙げるとするなら「読み終えた後も手元に残るから」だと思っている。
「読んだ後も残るなんて、嵩張るだけじゃないか」と思う人もいるかもしれない。実際、世の中では「モノをもたない暮らし」がもてはやされたりもしているし、そのような考え方のほうがひょっとすると、現代では受け入れられやすいのかもしれないなとは思う。
しかし、本に対するこうした
アイデンティティ・クライシス
親に対しては過剰なくらい従順な私にも反抗期があった。高校一年生の夏から秋にかけてのころである。と言っても大したエピソードがあるわけでもなくて、母親の説教に対して言い返してみたりとか、父親の旅行の計画を断ったりとか、今思い返してみれば可愛いくらいの、ちょっとトゲトゲした私がそこにいた。
もちろん当時は「私は今まさに反抗期を迎えている!!」みたいな確固たる認識があったわけでもなくて、ただ親が間違っ