本当に電気自動車で効果が出るの?
ごきげんよう
チャールズです。
車好きとして、最近の関心事と言えば
自動車の完全電動化
です。
これは、カーボンニュートラル(しばし脱炭素と訳される)な社会の実現を目指すための政策です。
イギリスでは2030年、アメリカのカリフォルニア州では2035年の内燃機関を用いる自動車(ハイブリッド含む)の販売を禁止すると表明しています。日本では、2035年に内燃機関のみの自動車の販売を禁止すると掲げています。
自動車メーカーとしては、ホンダや日産が取り組んでいます。
ホンダは、2040年までに全ての新車を電気自動車と燃料電池車にすると発表。日産は、2010年のリーフ発売以降、次々と電気自動車を発表しています。
ここまでの話だと、ハイブリッドを含むものとする日本などは例外として、ほとんどは、
電気自動車か燃料電池車となる
ということになります。
電気自動車に関しては、実は1800年代にはすでに発明されており(愛知県のトヨタ博物館に1902年式の電気自動車の展示あり)、現在は市販可能な域までに開発が進められています。
一方燃料電池車は、トヨタが「MIRAI」を発表しましたが、1800年代にはもうすでにあったとされる電気自動車と比較して、まだまだ駆け出しで普及の目処はたっていません。
なので、単に「電動化」と言っても、
もし実現したら電気自動車が大半を占める結果になる
と思いますし、そのていで論じていきたいと思っています。
さて、個人的には、
本当に電気自動車でいいの?
と疑問に思います。
1.カーボンニュートラルって、本当にできるの?
まず、そもそものお話ですが、
「カーボンニュートラル社会の実現は無理」
だと思っています。
人間が生きていくためには、呼吸をしなければいけません。
(当たり前の話でスミマセン...)
呼吸をするときには、二酸化炭素を排出します
よね。
呼吸という行為は、二酸化炭素を排出しているので、カーボンニュートラル社会の実現に反する行為です。
しかし、
呼吸をしなければ、生命を維持できません。
なので、
生きていくためには、二酸化炭素を排出しなければならない
ので、
カーボンニュートラルなど無理だ
と思っています。
2.電気自動車って、本当に「CO2ゼロ」で走るの?
では「それだったら二酸化炭素を減らす努力をしろよ。電気自動車で二酸化炭素を減らすことができるではないか」と指摘されると思います。
確かに「車それ自体から」排出される二酸化炭素はゼロと言っていいでしょう。何せ、ガソリンと酸素を燃やさずして走ることができるのですから。
しかし私は、
「電気自動車は、内燃機関のみの自動車と比較してもそれほど環境によくない」
と思っています。
まず、
日本の電力のほとんどは、火力発電
です。
火力発電は、燃料を燃やして電力を作ります
よね。
燃料を燃やすということは?当然二酸化炭素が出ます
(本当に当たり前の話しかできていませんね。スミマセン...!!)。
関西電力によると、
石炭火力発電で、1kwの電気を生成する時に排出される二酸化炭素は、943gとされています。
これは、
ガソリン自動車(1km走行する時に176g排出すると想定)が5km走行する時に排出される二酸化炭素量をわずかに上回ります。
どうでしょう?結構多いなと思うのですが...
「それだったら、火力発電以外でやればいいんだよ!!」
という意見が出るでしょう。さて、もし火力発電以外で電気自動車の動力を賄うとしたら、どうします?しかも、多分反原発派が多いでしょうから、原子力発電は使わない、と仮定して。
「メガソーラーがあるだろ!!」
そうですか。メガソーラーですか。確かに太陽光のエネルギーで発電するので、発電する行為「それ自体」では二酸化炭素は排出しませんね。でも、本当にそれだけでしょうか?
メガソーラーのほとんどは、
森林を伐採して建てられています。
まず、植物は二酸化炭素を吸って酸素を吐き出します。
そして、
メガソーラーのために森林を伐採して植物が減っていくと。
そうなってくると、
酸素を生み出すものが少なくなる上に、二酸化炭素の量も増える
と思います。
また、それだけではなく、
森林の生物、鳥や虫たちが住み家を失います。
それって、内燃機関の自動車が走っているより、自然界が被る被害が大きいと思いませんか?
脱線しますが、前から疑問に思っていたんですよね。家電製品が「少ない電気で動く!!環境対応!!」と言っているのに、車だけ「電気で走る!!環境対応!!」って言っているのか。同じ電気で動くことには変わりはないのに...
3.製造時に排出されるCO2は?
また、走行時のみならず、
製造時にもガソリン車よりも多くの二酸化炭素を排出している
ことが、研究結果でわかっています。
マツダの研究によると、
走行時の二酸化炭素排出量は国によって違う
結果が出ています。
原子力発電や再生可能エネルギーを多用する欧州では、
ガソリン車よりも電気自動車の方が排出量が少ない結果が出てはいますが、かつてドイツ主導で開発が進められたクリーンディーゼルよりは多く排出しました。
石炭火力発電が主流のオーストラリア、火力発電主流の日本や中国では、最終的には電気自動車の方が多く排出したという結果になりました。
さて、製造過程で出る二酸化炭素ですが、マツダの研究結果では、
電気自動車の方が、内燃機関の自動車よりもおよそ7000g多く排出する
という結果が出ています。
いくら発電方式が違う欧州でも走るとはいえ、二酸化炭素が製造時で7000g近く多く排出されるとなると、大きく違ってくるでしょう。
製造時に電気とか、エネルギーを使用しますからね、何を作るにせよ。それを炭素フリーでしろというのは、無理な話です。
4.EVへの切り替えには、廃棄物が出る
もう一つ。
EVに切り替えるにしても、
大きな廃棄物が出る
のです。
まず、
エンジン車それ自体
です。
「なんでだよ、鉄をリサイクルしているから環境にいいじゃないか」
ほほう?そう考えますか。
確かに自動車リサイクル法が整備されて、車を1台廃車にするときちんとリサイクルされますね。
でも、解体するためにニブラーという重機の動力が必要です。そしてそれはガソリン。また、リサイクルできない箇所もある。事故車で走行不能になったりならまだしも、まだ走れる車を廃車にして、解体しますか?しかも乗用車よりもガソリンを使うであろう重機を使って。
「じゃあ、EVへコンバートしたらどうなんだ!!」
さきほどのエンジン車を解体するよりは、よっぽど合理的なアイデアだと思います。でも、エンジンを廃棄しなければならない。その場合、使い道がなくなったエンジンは、どうするのでしょうか。
5.石油燃料を使いたくなかったら?
以上の点で、
私は内燃機関から電気自動車にシフトしても無駄である
と考えています。
まあ、究極はハイブリッドとかクリーンディーゼルとかになりそうですが。
というか、何度も強調しますが、そもそもカーボンニュートラルそれ自体が無理なのですよ。
では、もし
どうしても石油燃料を使いたくなかったら、一番いい方法は何でしょう?
私は、
残飯や枯れ葉から作るバイオエタノール
だと思っています。
(本音は現在トヨタが開発している水素燃料の内燃機関だと思うんですが、「燃料電池車は普及の目処が立っていない」と書いちゃったもので...矛盾しているのではと言われそうだなって...)
バイオエタノールは、
植物などの生物体から精製される燃料
です。なかには生ゴミや天ぷら油などの廃棄される料理用油(一応これらも植物由来だったり動物由来だったりですからね)を原料とするものもありますが、殆どはサトウキビやトウモロコシから精製されます。
ガソリンに少量混ぜて使用されますが、インディカーシリーズというアメリカのカーレースでは、85%のバイオエタノールに15%のガソリンを混ぜて使用しています。
バイオエタノールの原料となる植物はもともと、光合成によって大気中からCO2を吸収しています。ゆえに、燃焼によりCO2を排出しても、全体としてCO2量を増加させないと考えられています。
しかし、バイオエタノールのために砂糖黍やとうもろこしのバージン素材を使用するのは、あまりよくないかなという気もします。
そこで、
残飯や衣類、散髪して切られた髪の毛などのゴミや廃棄される料理用油を使用して、バイオ燃料を精製する技術を発達させたらいいのでは
と思っています。
そうすれば、
フードロス問題やゴミのリサイクル問題も解決できるのでは
と思いますし、
光合成のために吸収される二酸化炭素量の方が、排出する二酸化炭素量よりも多いという計算になるかな
と思います。
それこそ、
SDG’sの達成
なのではと思います。
また、フランスのトタル・エネルジーズは、2022年のル・マン24時間レースに
100%再生可能燃料
を供給すると発表しました。
これは、フランスを代表する産業である
残留ワインを原料としたバイオエタノール
と、
トタル・エネルジーズの製油所で循環型経済に基づいて生産される
エチル‐ターシャリー‐ブチル‐エーテルという化学物質
から作られる燃料です。
このエチル‐ターシャリー‐ブチル‐エーテルですが、
ガソリンに混合しても、蒸気圧が上昇せず、ガソリンからの燃料蒸発ガスを増加させないため、CO2などの有害物質を発生させない
そうです。
この廃棄物由来のバイオエタノールこそ、環境に対して効果が期待できる動力源ではないかと思います。
4.まとめ
ということで、私は
「カーボンニュートラル」のために「ガソリン車を電気自動車」に置き換えるというのは、意味がない
と思っています。
もし石油燃料が嫌なら、先程のバイオエタノールだったり、水素燃料の内燃機関、使用済みの天ぷら油なり他にも代替案はたくさんあります。
また、前述の通り、生物が生きている限り、炭素フリーの社会の実現は無理です。
なので、安易に電気自動車に走るのは、どうかと思います。
また、環境問題に関係ない理由ですが、
後世の子どもたちにエンジン車を選ぶ権利を残してあげたい
というのも一つです。
エンジン車を搭載したスポーツカーに憧れる、今の子どもたち。
もし、その子たちが免許を取る年齢になって
「僕達の夢がそもそも叶わない時代になってしまった」
と思うと想像すると、悲しいでしょう。もしかしたら、最悪
生きる希望をなくす子たちも出てくるかもしれません。
そうならないために、一人の免許を持って車に乗る者として、ガソリン車を選ぶ権利を残してあげたいです。
時は刻一刻と迫ってきています。エンジン車を残すための新時代の技術に期待してもしきれません。