【MD】DC世界113位のライトロード
どうも、キャベツです。
今回の記事では、2023年3月下旬に開催されたデュエリストカップで使用し、世界113位を獲得したライトロードデッキを紹介していきます。
銀アイコンにあと一歩及ばず悔しい結果に終わりましたが、謎寄りのデッキを使っている人間の中ではかなり良い結果を残せたと思っています。
使用デッキと概要
イシズを投入したトリシューラ連打型のライトロードです。
デッキコード:6r1x3gv
トリシューラ型ライロ、イシズ入りライロの概要についてはこちらをご覧ください。
読むのが面倒な方のために簡単にまとめると、トリシューラ連打型ライロは、名前の通りトリシューラを1ターンに複数回S召喚して先攻では全ハンデス、後攻ではキルを取るかメイン2に手札、フィールド、墓地のリソースの全除外を目指します。
紙のライロはロンゴミ型が主流ですが、MDではキーパーツのゴシップシャドーが禁止されているため仕方なくこちらの型を採用しています。
動きの参考動画です。
追放マスカレイドは結果的には早すぎましたが、ソリティア系のデッキにはさっさと出す択も間違いではないので明確なプレミではないかなと。
深淵の攻撃はアーゼに行くブラフです。悲劇ではなくマスカレイドを攻撃対象としているのは、「アーゼウスを出すぞ」という意思をより明確に相手に感じ取ってもらうためです。LPが削れることよりミラジェを温存されること(またはブラフ自体に気付いてもらえないこと)の方が厄介な状況でした。
バトルフェイズまで使って相手に妨害を吐かせた後、メイン2でリソースを全て削いでいる様子がわかると思います。
デッキ選択の理由
ライトロードしかまともに使えないからです。環境読みなどの高尚な理由はありません。
ただ、イシズギミックの獲得によりMDのライトロードは準環境程度の力を獲得したため、ライロにも銀アイコンのチャンスがあるとは考えていました。実際、プレイヤーが私でなければあと一勝を掴み取って銀を獲れていたと思います。
また、以前のnoteでは、トリシューラ全ハンデスライロとネクロフェイスLOライロの二種類の型を紹介しましたが、今回トリシューラ型を選んだのはネクロフェイス型がデッキとしてあまり好きではなかったからです。デッキコンセプトからネクロフェイスというゴミの3積みを強要される時点で、ネクロ型はガチデッキになり得ないというのが私の意見です。
目指す動き
先述した通り、先攻ではトリシューラ連打全ハンデス、後攻ではワンキルまたはトリシュ連打による後続の全除外を行い、締めに万能無効のバロネスを立てることで勝利します。
全ハンデス(and 墓地リソース全除外)+万能無効+墓地シラユキは現状のカードプールではまず解決不可能であり、実質FTKです。このデッキは、先後ともにこの盤面を目指します。
もちろん展開が通った試合は一回も負けていません。
展開
展開の流れは大きく
墓地肥やしフェイズ
トリシューラ連打フェイズ
に分かれます。一つずつ見ていきます。
墓地肥やしフェイズ
トリシューラ連打に必要なパーツを手札か墓地に持ってくるフェイズです。
墓地肥やしに使うのは以下のカードです。
特に優秀なのはイシズギミックのアギド、ケルベクで、手札、デッキから墓地に落ちるだけで5枚もデッキを掘ってくれます。シャドールのような「『効果によって』墓地に送られた場合」の縛りがなく、援軍のコストによる墓地落としでも誘発される点が本当に強いです。
これらの墓地肥やしギミックを使いつつ、手札、墓地に
シャーマンルミナス×2(1でもいいがなるべく2)
サモナールミナス×1
メイデンミネルバ×1
除外ゾーンにライロモンスター×1
を揃えるまでが墓地肥やしフェイズの役割です。
展開はルートが存在せず全てアドリブなので実際に触って慣れる他にありません。
カオスルーラーの成立を最優先に考えること、4Xが立つ状況ではデッキに残るライロモンスターの数を把握してデュガレスとセイントミネルバのどちらに行くか決めること、キュリオスを立てるために複数種族を残しておくことなどを意識すると成功しやすいと思います。
トリシューラ連打フェイズ
神聖魔皇后セレーネ、サモナールミナス、シャーマンルミナス、メイデンミネルバのセットから
トリシューラ×4
エンタープラズニル×1
を出力し、5ハンデスを行います。やろうと思えばもう2~3ハンデスは追加可能なため、トリシューラでハンドの悲劇のデスピアンや雷電龍サンドラを除外してしまい、相手のハンドが増えてしまった場合も対応しきれます。
流れの参考動画です。
トリシューラ連打中はサモナールミナス用のハンドコストが不足しがちなので、墓地肥やし中にハンドを消費しすぎないよう意識する必要があります。また、ゼピュロスやデストルドー等の墓地リソースを利用すればハンドコストを節約することも可能です。
また、おそらくトリシューラ連打中に山が0になると思うので、事前にデュガレスの2ドロー1捨て効果でセルフドローロックをかけるか、相手ターンにケルドウで1枚戻してあげる必要があります。
その他の展開
○後攻
手札誘発が少ないためしばしば最大展開を許してしまいますが、気合いで踏み越えます。デスピアやスプライト等の中速相手なら意外とどうにかなります。
○Gを打たれた時
LOを目指します。アギドケルベクで相手の山を10枚飛ばしつつムドラケルドウで展開の起点となるセレーネを使いまわすことで、60枚でも山を枯らせます。
○ニビル
気合いで踏み越えます。意外と止まりません。少なくとも私はDC中に1度もニビルのせいで負けた試合はありませんでした。
相手がニビルを持っていそうだったら、墓地のルーラーやデストルドー、ハンドの未界域等ニビルを打たれた後の手数を温存しておくのが吉です。
構築のポイント
イシズ入りトリシューラ型ライロの一般的な構築として以前noteに載せたものはこちらです。
また、今回使用したのがこちらです。
今回の構築のポイントは
3軸の排除
エメラルループの不採用
γ採用
サモナールミナス、メイデンミネルバのピン採用
の4点です。
3軸の排除
ジャッカロープを減らし、ツチノコとケルビーニを抜きました。
ライロにおけるレベル3の使い道は、
ダンテを作り墓地を肥やす
デストルドーの対象に取りトルドーをルーラーにしやすいレベル4で出力する
ケルビーニでライロパーツを墓地に落とす
等の役割がありますが、一方でデュガレスやセイントミネルバ、エメラル、ルーラー等の素材にならず、展開上役に立たない場面の多い存在でもありました。
そこで本構築では思い切ってレベル3の採用を切って4軸に揃える方針にしました。現環境ではデュガレス、セイントミネルバ等のインフラとなる4Xに加えてしばしば深淵(ビーステッドじゃないよ)も立てる必要があったため、4軸に寄せたのは間違っていなかったと思います。
3軸要素のケルビーニはデッキにピン刺ししているミネルバ等のライロパーツを確定で墓地に落とすために採用していましたが、イシズギミックにより墓地肥やしが加速しデッキを丸ごとひっくり返すことが容易になったため、確定サーチのルートを作る必要がないと判断し抜きました。
ちなみに、ピンで採用しているジャッカロープはデッキから4未界域を呼ぶ以外にも役割が二つほどあります。かなり細かなものですが、もしよければ回しながら考えてみてください。
エメラルループの不採用
以前の構築ではセレーネ、トリシュ、エメラルでループを組んでトリシューラ連打を実現していましたが、本構築ではそのループを不採用とし別ルートを取りました。
理由は40だと安定してエメラルループを組めないためです。
エメラルループでは、シャーマンルミナスの強制効果でデッキをゴリゴリ掘りながらウォルフやトリッククラウンを引き当ててエメラルの素材を供給しますが、40枚の場合、全ハンまでにデッキ切れを起こさないようにするためにはかなりシビアな立ち回りが必要であり、動きがそこそこ縛られてしまいます。
何度か回してみた結果、40でのエメラルループは安定しないという結論に至り、不採用としました。
エメラルループの参考動画を載せておきます。
エメラルループを行わない場合、サモナールミナス用のハンドコストの確保だけ少々難しいですが、基本は立ち回りでケアできます。DCでは実際にトリシュループに入ってからハンドコストが足りず詰んだ場面は一度もありませんでした。
γ採用
40構築にすることで顕在化したソーラーエクスチェンジという弱点のカバー意識して採用しました。
ライロ使いなら誰しも感じていると思いますが、ソラエクは強いけれど弱い札です。通った時のリターンは凄まじいものの、止められるとライロでは重たいハンドの損失という結果が生じてしまいます。
流石に何も対策を講じないわけにもいかず、指名者とγであればγの方がデッキに合っていたため採用に至りました。
もちろん三戦警戒のスタンバイG、単に無警戒な未界域へのG、アトラクター、援軍などで落ちたアギドケルベクへの無効等を刺しにいく意識もありますし、単純に現環境における後攻の手札誘発としても通りはそこまで悪くないと思います(凄く良いとまでは言えませんが)。
ただ、γセットの枠は結界波や一滴とかなり迷いました。特に紙のライロでも採用実績のある一滴はイシズとシナジーがある点で魅力的でしたが、未界域の採用枚数が紙と比べて多すぎるため、ハンドを切るのが辛いと判断し見送りました。
サモナールミナス、メイデンミネルバのピン採用
ライロパーツはトリシューラ連打を行うための必須カードなため、試合中に必ずアクセスする必要があります。
もちろん単純にライロの枚数を増やせばアクセスしやすくなるのですが、ライロモンスターはライロデッキにおける事故の原因の9割を占めるため、枚数をできる限り減らした気持ちもあります。
そこで、いままではライロの枚数を減らした上で3軸要素からケルビーニを出力し、レベル3のライロパーツに確定でアクセスするルートを採用していました。
しかし先ほど3軸排除の項でも書いた通り、イシズギミックの登場でライロパーツへのアクセスが比較的安定したため、本構築ではトリシューラ連打に必須なサモナールミナス、メイデンミネルバの採用を1枚とし極限までライロモンスターを削ってみました。
ただ、ライロモンスターを減らしすぎると今度はソラエクが事故要因になってきます。個人的にライデンは2~3でよかったかなとも思います。
サモナールミナス、メイデンミネルバを1、シャーマンルミナスを2としているのは、単純にシャーマンをトリシュ連打で2枚使いたいのと、シャーマンにアクセスできているかがその後展開が繋がるかどうかに大きく関わってくるからです。
環境における立ち位置
総評
イシズギミックというバグカード群を他テーマより強く使える点でライトロードにとっては明確に追い風でした。当然の話ですが、強いカードが入っているデッキは強くなります。その上更に強いシナジーまである訳ですから、ライロの立ち位置は過去一良かったと言っていいと思います。ムドラケルドウはライロへのメタにもなりますし、イシズギミックや墓地利用自体をメタる向きも強い環境ではありましたが、ライロがイシズギミックから受ける恩恵はそれ以上に大きかったため差し引きではプラスでした。
ただ、そもそもMDではライトロードというデッキ自体がそこまで強くありません(※)。MDのライロはロンゴミアントという省エネかつ強力な着地点を失っているため、どうしても大振りで過剰な展開、制圧をする必要があり、またそのためにデッキスペースを割いています。その関係でメタスペースも紙の構築に比べて狭くなっており、環境や状況への対応力も低めです。
新規として獲得したイシズギミックも、言ってしまえばただの超高級な潤滑油であり、ライロが抱える根本的な問題は解決されなかったため、どうしても地力の差で他デッキより厳しい戦いを強いられた印象です。
最終勝率は57%。ライロにかなり慣れた人間が三日間死ぬ気で回してギリギリ銀ラインに届くかどうか。
お世辞にも環境の中で強いデッキだったとは言えません。
対面ごとの分析
○烙印デスピア
微不利。勝率51%。
DCではイシズ入り60構築が流行しました。イシズミラーでありアギドケルベクを使うと相手にムドラケルドウを持たれてしまうのが面倒だったのはもちろんありますが、何より重たかったのはデスピアに打たれるGです。
ライロはGを打たれたとき、ツッパしてLOを狙いに行きます。しかし、DCのデスピアはムドラケルドウコストバーミリオンという最強の手札誘発を擁しており、これを越えるのが非常に難しかったです。
無効破壊といえばバロネスやγと同じであり、そこに墓地メタまでついてくるのですから、あまりに強力です。死ぬ気でどうにか3枚使い切らせてもムドラケルドウでバーミリオンを戻しおかわりしてくるため、デッキを枯らすまでに最大で6回のバーミリオンを越える必要がありました。
ただ、先攻の妨害数が少ないため後攻からは比較的越えやすい相手でした。
○スプライト
微有利。勝率60%。
自由枠が広いとはいえその全てに誘発が詰め込まれる環境ではなかったことが幸いし、先攻でトリシュ全ハンデスが素直に通る場合が多かったです。墓地利用をほぼしないためアギドケルベクの裏目もなく、手に持たれている誘発さえ越えれば気持ちよく動けました。
後攻でもそこまで捲りづらい相手ではなく、かなり勝ちを見込めました。
○罠神碑
有利。勝率70%。
ジャンケン対面ですが、先攻では100パーセント負けません。実際罠神碑対面で先攻を取った24戦は全て勝ちました。
更に後攻でもキモい永続罠さえ引かれなければ基本的には妨害を超えられるため、神碑側が多少不利なジャンケンになっています。
○斬機
不利。勝率22%。
最も苦手な対面でした。そんなに母数は多くないですが、勝率も終わっています。イシズ入りが多く存在しこちらのイシズがメタられていたこと、デスピアに比べて誘発を多く持っていること、こちらの誘発の効きが悪いこと、構える妨害がこちらにクリーンヒットすること等から中々勝たせてもらえませんでした。
ただ、苦手意識が先行しすぎた感もあり、冷静にやればもう少し勝ちを拾えた気もします。
○エクソシスター
微不利。勝率38%。
先攻は勝ち、後攻は負けのじゃんけん寄り対面ですが、アトラクターという最強の武器を持っているエクソ側にやはり分があります。上の勝率は母数8で3勝5敗の結果なのですが、実際五分に持ち込めなかったのはアトラクターを打たれた試合が2回あったからです。
○ふわんだりぃず
微有利。勝率59%。
アトラクター持ちその2。ただ、誘発が少なく全ハンデスが決まりやすいこと、イシズギミックの通りが良いこと、後攻からでもそこそこ勝てることから相性は微有利です。
もともと芝が引ければ基本的には通り、芝が通れば勝てる相手だったこともあり、イシズギミックによって40枚でも芝が刈れるようになった今のライロとしては比較的戦いやすい相手でした。
走り終えた感想
本当に苦しかったです。誇張無しで命を削りました。
先にも書きましたが、そもそもMDではライトロードというデッキが強くないです。正直あんまり勝てません。だから時間をかけて試合数を稼ぐ必要があるのですが、トップレベルにソリティア(しかもアドリブ)するデッキなので一試合にかかる時間がまあ長い。
クソ長ソリティア × 低いデッキパワー × 数百戦。
賢者の方は一度ライロで銀ラインまで走ってみてください。悟りを開けます。
とはいえ、自分の愛したデッキでデュエル漬けの三日間を過ごし、あと一歩届かなかったとはいえ夢を見られる位置にまでいけたことは非常に良い思い出になりました。
今後は社会人生活が始まることもあり時間が取れるかは分かりませんが、機会があれば次のDCもライロで銀を目指したいと思います。
おそらく次のDCではティアラを貰えているため、ライロの全盛期になります。少なくともライロミリ知ら勢から「イシズティアラの下位互換」みたいに言われない程度の成績や結果は残していきたいですね。
終わり。