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A Minority of Minorities-Part 1

皆さんは、「マイノリティ」というカタガナをよく耳にするでしょうか。私はよくジェンダーなどの文脈、つまり主に社会学のような分野で、よく耳にしたり、本で読んだりするように思います。一方で、私たちの身近にいつも、このマイノリティがいるかというと、どこか遠くにいて日常生活とはあまり関係していない概念のような気がするところもあります。

しかし、日常から少しだけ角度を変えて自分や自分の国についてみることができるチャンスがあると、その傾向は変わるかもしれません。私は最近、仕事と休暇もかねて、ポルトガルのリスボン、ポーランドのスカルジスコ・カミエンナ、そして英国のヘンスフォードに行きました。最初に訪れたリスボンは、キリスト教のカトリック教会の若者のためのイベントで、世界最大規模のワールド・ユース・デイ(World Youth Day)の準備委員会に出席するためのでした。

それが原因で、その後ある「マイノリティ」を強く実感しました。「実感した」という表現を用いたのは、もともと「知って」はいたからです。日本のキリスト教徒は約200万人で、カトリックは全人口の0.03%程度にすぎません。この事実がなぜ、私にとって今回、とても強く「実感」になったかについて、簡単に書いていければと思います。

World Youth Dayとは

前述したWorld Youth Dayというのは、1985年を国際連合が「国際青年年」とした影響もあり、当時のカトリックのローマ教皇であったヨハネ・パウロ2世が世界中のカトリックの若者のために始めたイベントです。

冷戦の影響などで、世界の若い人々を取り囲み社会的な情勢、特にヨーロッパの状態が悪かったこともあり、カトリックのリーダーである教皇が、リーダーシップを発揮した側面でもあります。

ファティマにあるヨハネパウロ2世像

ヨーロッパの若い心としてのポルトガル

こうした背景から、私が思うにWorld Youth Dayはカトリック教徒の若い人に対してだけではなく、社会的背景としては世界情勢の中で精神的に適切な形でその変化に順応していくために、若者をリードするためのイベントだとも言えると考えています。その証拠に、今回の準備委員会の出席で、多くの委員の方が、今回の大会ではカトリックに限らず、多くの若い人を世界中から誘いたいと言っていました。

しかし、アジアの一部の国など、こうした大会に誘うことが難しい国もあると思います。そうした点はとても議論の余地があるのですが、1985年に始まった当初よりもさらに、世界中の人々に対するイベントであるという認識が広がっているようにも思いました。

ローカル、グローバルにカトリックが影響力がある

こうしたワールドユースデイというイベントを実施するのが、2023年は、リスボンになります。ポルトガルは治安が良く、残念なことではありますが、ウクライナの難民の人々の影響で、ウクライナ人、ポーランド人などが一番移動先で選びたい国が、ポルトガルだそうです。こうした理由だけではなく、ポルトガルが今回選ばれている理由は、ほとんどの人々がカトリック、もしくはカトリックの文化になじんでいることが挙げられるそうです。

市長のところに挨拶に行く機会が、滞在中にありましたが、その際にリスボン市長が自ら、ワールドユースデイが若者の精神的影響において、とても重要であり、市のイベントとしても重要性が高いことを述べていました。

ここでいう「重要性」は、本人はもちろん言わないですが、ポルトガルの青年、そしてヨーロッパの青年にとってのように思いました。日本人などからすると、カトリックの1イベントが、市を挙げて協力体制を敷き、その重要性を語ることなど、想像ができません。

巡礼地としてのポルトガル

そして一番の理由は、巡礼地(キリスト教のゆかりの地で多くの人が訪れる場所)であるからです。その巡礼地である理由は、ファティマという聖母マリアが現れたとされる場所があるからです。このファティマには、毎日夜9時頃から祈りの時間があり、驚くほど多くの人がその場所で祈りをするために、毎日訪れます。

ファティアに訪れた人々と聖母像を囲む行列

以上のような形で、今回はポルトガルについてまとめてみました。ここまででPart1の結論にするために、日本との比較をしてみたいと思います。日本では、上記のように一つの市(リスボンのような)が精神性、グローバルとローカルにおける社会性、そして巡礼地としての精神性において、重要と言えるような場所があるでしょうか。日本にはないと思います。もちろん、日本の欠点を述べているわけではないのですが、こうした宗教性と繋がる側面が、日本では持つ伝統がないことが、カトリックもマイノリティにしている原因かもしれません。


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