「ダラス・バイヤーズ・クラブ」

「映画の公開時期には魔物が棲んでいる」配給会社の人じゃないですが、それってあると思います。

我が家はテレビを見ない代わりに、劇場映画は割と頻繁に行くほうです。それがテレビの代わりになるのかはわかりませんが。

「ダラス・バイヤーズ・クラブ」は劇場で観たかった映画でした。それが、観たい映画の競合に当たってしまい、もともと大作ではなかったせいか上映期間も短く、アレヨアレヨと言う間にDVD落ちしてしまい、一度DVDに落ちてしまうとこちらのモチベーションも落ちてしまい、ようやく借りて観たと言う感じです。

どうです?魔物がいますでしょ?

役柄に合わせて体のつくりから変えてしまう役者、昔はロバート・デ・ニーロ、今はクリスチャン・ベイルが有名ですが、本作のマシュー・マコノヒーの変貌ぶりも常軌を逸しています。

本当にHIVの患者なのでは?と心配になる程、痩せていると言うより「老化している」ように見える迫真の身体作りです。

パートナーのレイヨン役の俳優さんも同様に死期に近づくにつれて痩せて行くと言う自分の健康をまったく省みない無謀な激やせを見せます。

と、フィジカルな面ばかりがこの映画のポイントではなく、政治的な主張が大いに含まれた映画で、日本ではこう言う映画は作れないだろうなぁと言う内容でした。

そういった内容の映画に身体を張って出演するのだから、役者はダブルのリスクを払っているわけです。(ポリティックとフィジカル)

余命宣告されてから、生を取り戻す。

余命を知ってからの「Do The Right Thing」。

スパイク・リー監督の「ドゥ・ザ・ライト・シング」も大好きですが、「ダラス・バイヤーズ・クラブ」は正味の正しい行いを全うした生き様と死に様を描きます。

僕の好きな「メメント・モリ(死を忘れず生きよ)」と言う言葉を体現した映画です。

主人公は死にますが、元気になれる映画です。

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