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はなの話

ワタシには、一生忘れられない愛猫がいる。

名前は、はな



うつ病になって、家にこもりきりで何もできなかった30歳の時のことです。


窓のそばでゴロリと転がっていたら、窓の横に置いてある発泡スチロールの中で何かがもぞもぞと動きました。


てっきりデカい野良猫かなんかだと思い、手元に合ったサンダルを投げて当ててみた。(我ながら当時はクソだな。)

逃げようと飛び出てくるかと思ったが、そんな気配がまったくないのでそろ~~っと見に行ってみたところ、まだウニョウニョ状態の子猫が2匹、いらっしゃった。あちゃ~~~。



あちゃ~だけど、うちにも先住猫さんがいましたので、ワタシは決して猫が嫌いなわけじゃなく。なので、箱の中身はそのままに、なんとな~くの監視を始めます。

そしたらなんてことない、たまに餌をあげていた、黒・白ソックス柄のお姉さん猫がお母さんになっていたのね~って。

当時は、まだそんなにネコさんの生態について詳しく知らず、彼女が妊娠中だったってことにも気づいていませんでした。


一匹はお母さんによく似てるけど、野良猫とは思えないシャム柄の女の子。もう一匹は、どう考えてもボス猫そっくりなキジトラの男の子なので、お父さんもすぐ判明(笑)。


警戒心の強いお母さん猫さんだったのですが、やっぱり出産直後ということもあり、それからは夕方になると仲間たちと一緒にご飯を食べに来ます。子猫らは、ほんの2メートル先の発砲スチロールの中だしね。

なので、徐々にワタシが触っても警戒されないように、ご飯を食べてる間に子猫を家の中に入れてみたりして、お母さんにも慣れてもらおうとしました。

まだ授乳中だったし。そもそも、まだこの子猫らをどうしようか、とも考えあぐねていたし。


けど。


一カ月もしない間に、ちょっと心配な状況が始まって。


昼間そ~っと覗いてみると、シャム柄ちゃんだけ一人、ぽつんといらっしゃることが何度かあって。


あれ~~~?

キジトラくんは?

ママちゃんは???


その当時も情報がないながら、たぶん母ネコが近々引っ越しを考えているのだろうと推察しました。

しかも、もしかしたらこのままシャムネコを見捨てるかもしれず。そして、機を逸したらキジトラちゃんとは会えなくなるかも。

自然界ではあるあるなのですが、強い種を残すために、母ネコが育児放棄をするのはまぁあることのようで。

(そして2年後、ワタシはその母親の選択の意味を知ります。)

生後一カ月ほどの子猫をピックアップするのはどうなんだろう?と悩みましたが、ワタシは意を決して2匹を家の中に入れて一晩を過ごしました。


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ボケちゃってますが、最初に一緒に撮った記念の写真です('ω')。





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