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諸橋大漢和-裏表紙の文様は?

前回、諸橋大漢和の表紙には河図洛書が描かれているという話をしました。

裏表紙にはこのようなデザインがほどこされています。

これも、古代中国由来?とちょっとワクワクしながら調べたところ、あっさり、大修館のサイトに答えが載っていました。

戦前版『大漢和辞典』表紙の空押しと函ケースに印刷されているマークは、それと違って「大修」をデザイン化したものである(写真右)。「TSK」をデザイン化したものを使用しなかったのは、当時の敵性語排斥という風潮のなかでの自主規制によるものだったのか、あるいは単純に『大漢和辞典』全体の装丁のなかで考えられたことなのか、これについても不明である。「大修」マークは、戦後になって『大漢和辞典』(昭和30~35年発行のもの)のほかに二、三の単行本に使われたが、やがて姿を消した。

漢字文化資料館『写真でたどる『大漢和辞典』編纂史』大修館書店

昭和30年から35年にかけて発行された大漢和辞典、他数点の書籍にのみ使われた、レアなマークだったようです。

なお、大修館書店の社名は、創業者の鈴木一平が出版について学んだ修学堂と、修学堂主人の辻本末吉の出身が大倉書店であることからつけられたそうです。

大修館書店のサイトを訪れてみると、アルファベットのTとSが組み合わさったようなロゴが使われていました。

家族総出で大漢和辞典に力を注いだ鈴木社長の思いが詰まったマーク、もう使われていないのがちょっと惜しい気がします。

参考元:『大修館書店の歩み』株式会社大修館書店



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