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諸橋大漢和-表紙に刻印された図版の意味は?

諸橋大漢和の表紙に、不思議な文様が刻印されています。
中央に亀が描かれ、その周りに漢字が描かれています。

見返しの解説をみると、この図版は、河図洛書(カトラクショ)だと書かれていました。

ということで、河図洛書をコトバンクで調べました。
以下はブリタニカ小項目事典の記載です。

古代中国で瑞祥(ずいしよう)や受命のシンボルとされた神秘的なダイヤグラム。〈図書〉ともいうが本来は別々のもので,《河図》は黄河から出現した竜馬の背に,《洛書》は洛水から出現した神亀の背にそれぞれ書かれてあったという。《易》の八卦(はつか)は《河図》から生み出され,《書経》の洪範(こうはん)は《洛書》がもとになったという説(漢の劉歆(りゆうきん))が長く信じられた。図に掲げたのは宋代の学者が復元したもので,朱熹(しゆき)(子)がこれを《周易本義》や《易学啓蒙》に採り入れてから不動の権威をもつに至ったが,清朝の学者から根拠のない捏造(ねつぞう)だという痛烈な批判を浴びた。

コトバンク「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「河図洛書」の解説」

河図洛書は、古代中国を起源とした2つの図を総称したもので、「図書」という言葉の語源にもなっています。

古代中国の伝説上の帝王、伏羲(フクギ)の時代に、黄河から図版(河図)を背負った竜馬が現れ、伏羲に捧げました。伏羲は「河図」から八卦(ハッケ。占いの基本となる図形)を作り、これが易経の起源となりました。

そしてさらに、伝説の中国古代王朝、夏の禹王の時代に、洛水(洛河)に文字(洛書)を背負った神亀が現れ、禹に捧げました。禹はこれによって治水に成功しました。禹王は黄河の治水を成し遂げた名君として知られています。

河図洛書は、占いと治水、古代中国王朝にとって大きな意味を持った2つの要素を象徴する図、ということになります。

そもそも大漢和辞典は何を調べるための辞典なのか、という根本的な部分まで調べが至っていませんが、大漢和辞典の出版元である大修館のサイトによると、を参照すると、大漢和辞典は本来、漢籍(中国の古典)を読むために作られた辞典だそうです。

漢籍を紐解くために編まれた大漢和辞典に、中国文明を象徴する「河図洛書」が表紙に描かれるのも、なるほどとうなずけます。

参考元:漢字文化資料館『よくあるご質問』大修館書店

補足

河図洛書にまつわ面白い論考がnoteに掲載されていました。
竜馬って何?竜馬が背負っていた図版って一体何?
文字ではなかなか伝わらない部分を、図版入りで紹介されています。
ぜひあわせてご一読を!


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