福禄寿(桜の話)
福禄寿桜が見頃です。
私が住む神奈川では、ソメイヨシノはとっくに葉桜になり、チューリップも散り始めていますが、今もりもりの花を咲かせる桜を見ていると、ソメイヨシノもいいけれど、桜はいろんな品種が植わっていたほうが楽しいなあ、と思えてきます。
福禄寿
福禄寿はオオシマザクラ系のサトザクラの代表的品種で、またしても!荒川堤で栽培されていた品種です。
雌しべが雄しべより長く突き出ていて、花びらの縁の色が濃く、フリルのように波打ちます。花びらの色の濃い部分と薄い部分のコントラストが美しく、大輪で房状にまとまって咲く桜です。
学名
福禄寿の学名はCerasus serrulata ‘Contorta’。
Contortaはねじれの意味。花びらの形を表しています。
Contortaを名前に持つ植物としては、他にチチブリンドウ(Gentiana contorta)、コントルタ松(Pinus contorta)などがあり、リンドウのほうは花びらの先端が、松のほうは葉がねじれています。
Cerasus serrulataはサトザクラのこと。
オオシマザクラを中心にヤマザクラ、カスミザクラ等から作出された園芸品種の総称がサトザクラで、Prunus serrulata(Cerasus serrulata)という学名がつけられています(サトザクラ群)。
(広義では、野生の自然交雑種を除いた園芸品種を総称してサトザクラ類と呼ぶそうです。)
里と桜。よく知っている言葉を組み合わせて作られている別の言葉は、どうしても知っているつもりになってしまいます。
日々新たな気づきを提供してくださる、くますけさんも書かれていますが、知っていることと知らないことを意識するのは大事だなと思います。
名前の由来
福禄寿。これだけ印象的な名前がつけられている桜ですが、名前の由来に関する情報がみつかりません。
「花びらのねじれが福耳のように見えるからだとも言われている」
という記述が1つだけ見つかりましたが、決定打に欠けます。
(うーん、何かわかったら追記します。)
そもそも「桜」という言葉の語源も、田や稲の神「さ」と神が宿る座(くら)を組み合わせて田の神が宿る木、とする説や、木花之佐久夜毘売(このはなさくやひめ)に由来する説など、いくつもの説があります。
こんなに日本人に愛される花なのに、名前の由来も確定していないのは意外でもあり不思議でもあります。
健康、幸福、長寿の神、福禄寿の名を持つ桜。
花言葉は、しとやか、善良な教育、豊かな教養。
幸せのあらゆる要素を詰め込んだ、福袋のようですね。
いやそれより、サンタクロースが担いでいる袋の方がいいでしょうか。
サンタさんは福禄寿とも仲良くできそうな?
桜の季節の最後を飾るにふさわしい品種ですね。
参照元
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