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【資産運用】シャープレシオを意識する #43

こんにちは、ちゃぴのすけです。

少しプライベートが忙しく、更新期間が空いてしまいました。
さて、前回の予告通り、今回はシャープ・レシオについて書きたいと思います。

※本記事はあくまでシャープ・レシオの概要をざっくりとまとめたものです。厳密には異なる箇所や、本格的に学ぶためには情報不足とも思いますので、一つの読み物としてお愉しみください。

シャープ・レシオとは

シャープ・レシオとはノーベル経済学賞を受賞したウィリアム・シャープ氏が考案した指標で、投資信託のパフォーマンスを図る指標の一つとして、よく用いられています。
#鋭い指標!という訳ではなく、シャープ氏の名前がついています。

シャープレシオは以下の式で求められます。

シャープ・レシオ=(リターン-無リスク資産の利率)/リスク

端的に言ってしまえば、とったリスクに対してどれだけ効率的にリターンを実現できたか、を図る指標です。フィデリティ証券様の画像が分かりやすいの引用させていただきます。

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同一期間におけるファンドAとファンドBのリターンは同じですが、価格変動幅が大きく異なります。ファンドAはリスクが高く、ファンドBはリスクが低いため、ファンドBの方が効率的にリターンを実現できています。この場合、リスクを抑えたファンドBの方がシャープレシオは高くなります。

シャープレシオは一般的には1.0を上回ると、その投資信託は優秀とされています。1.0の場合、リターン≒リスクですから、とったリスク相応のリターンが得られていると言えますね。

無リスク資産の利率は銀行預金等の金利が該当しますが、歴史的低金利の現代においては無リスク資産の利率≒0と計算することが多いですね。

著名ファンドのシャープレシオ

具体的に見た方が実感がわきやすいため、いくつか著名なファンドのシャープレシオを紹介します。
※画像は楽天証券様より拝借しています。

・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
大人気のeMAXIS Slimシリーズです。楽天証券のページから拝借しているデータですが、過去1年シャープレシオは2.98とめちゃくちゃ高い数字ですね。リターンの年率が45%超という状況、一方でリスクは12.99%ですのでシャープレシオが高くなります。

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・農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね
アクティブファンドも紹介したいと思います。米国株式を投資対象としている、農林中金様提供のおおぶねです。1年シャープレシオは2.05と優秀です。リターンはeMAXIS Slim米国株式ほどではありませんが、リスクを抑えられているようです。なお、過去3年シャープレシオで比べるとeMAXIS Slim米国株式を上回りますね。長期的に安定的なパフォーマンスを挙げられていると考えられます。

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ただ、シャープレシオはリターンの大きさを表すものではないので、シンプルなリターンだとeMAXIS Slim米国株式をアンダーパフォームしています。インフォメーションレシオがマイナスになっていますので、要はそう言うことですね。

・ひふみプラス
別カテゴリでも紹介です。アクティブファンドとして有名なひふみプラスです。こちらは上記2ファンドと比較し組み込み銘柄が国内株式中心になります。

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1年シャープレシオは0.92とまずまずです。投資対象国が異なるため単純比較するべきではありませんが、米国株と比較し、リターンが限定的になってしまったことが理由と言えそうです。こちらも直近のインフォメーションレシオはマイナスになっていますので、ベンチマークと比較しパフォーマンスは優れなかったといえそうです(あくまで直近1年です)

シャープレシオの注意点

一方でシャープレシオにはいくつか注意事項があります。

・あくまで過去の実績である
 他の多くの指標と同じく、あくまで過去の実績から算出したものなので未来の成果を保証するものではありません。

・リターンの大きさを図る指標ではない
 リスクに対してリターンがどの程度だったか、を図る指標ですので、リターンの絶対値を比較するものではありません。
 ※例えば、定期預金等はリスクがほぼありませんので、シャープ・レシオは高くなります。

・短期間のシャープレシオは参考になりにくい
 計算対象が短期間の場合、その期間で暴騰(or暴落)があると分子であるリターンの値が大きく変化するため、シャープレシオ自体の数値が大きく変動します。長期的(3~5年分くらい)の期間で区切った平均リターンの方がより実態に即した数値となります。
 ※直近だと2020年3月を含めるかどうかで大きく変わってきます。

・対象資産が異なると比較にならない
 異なる投資対象資産のファンド同士を比較してしまうと値の傾向が変わってきますので、シャープレシオはあくまで同じ対象資産カテゴリに投資しているファンド間で比較する必要があります。

そんな私のシャープ・レシオ

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さて、ここからは趣味の領域です。

2019年1月から運用を開始した私の現在のシャープレシオを求めてみました。

・シャープレシオの求め方
シャープレシオを求めるためには、リターンとリスクの算出が必要です。
シャープレシオは年率換算して求めるのが一般的ですが、算出期間を月次にするのか週次にするのか日次にするのかによって多少数値は異なってきます。
※ちなみに上記のファンドのシャープレシオは週次のリターン・リスクを年率換算しているとのことです。

私はそこまで厳密に算出するつもりはないので…月次で記録してきた数値を用いたいと思います。以下のように算出します。

・算出期間について
2019年1月より本格的に資産運用を開始しましたので、2019年1月から現在までの期間で算出します。2年10か月と少々物足りない期間ですが、今回は参考値としての算出なので良しとしましょう笑

・月次リターンについて
毎月の定期入金額を除いた、純粋な資産成長率を求めます。
以下の数式で求めています。
 =(当月末の資産額ー当月の入金額)/前月末の資産額×100ー1

・年率リターンについて
年率リターンについては、設定来(2019年1月)~当月の月次幾何平均リターンを求め、その数値の12乗で求めます。
エクセルですと以下の数式になります。
 =(PRODUCT((2019年1月リターン+1),…,~,(当月リターン+1))^(12/期間月数)-1

・リスク(標準偏差)について
設定来(2019年1月)~当月の月次平均リターンの標準偏差を求め、12の平方根をかけて求めます。
エクセルですと数式を用いて簡単に求められます。
 =STDEV.P(2019年1月リターン~当月リターン)*SQRT(12)

・シャープレシオについて
上記で求めたリターンをリスクで除して求めます。今回無リスク資産のリターンは0として算出しました。

さて、細かいですが、実際の数値は下記になります。

2019/1-2021/10 シャープレシオ

現時点でのシャープレシオは2.26でした。

ちょっと優秀過ぎる数値なのですが、理由として考えられるのは以下です。

・2020年4月以降に急激に入金額を増やした
 →暴落を避け上手く株高に乗っかった、ような運用になった
・円安傾向が続いている
 →円建て換算だと円安の恩恵を受けています
・持株会がすこぶる順調
 →年始からまさかのダブルバガー

これは正直なところ再現性の薄い、読んでいただいている方々には全く参考にならない要因なのですが、もう一つの要因は分散が効いているに尽きると思います。つまり、リスクを抑えられている点ですね。
同期間のS&P500と比較すると、わずかではありますが、リスクを抑えられていますので、結果的にシャープレシオも向上したと考えられます。

先日から購入を開始したインドETFもいい感じで米国株とは異なる相関で推移してくれていますので、分散効果が出ているようです。

とはいえ、まだ期間も短いので、今後3年5年ともう少し長期的に見ていきたいですね。

何故シャープレシオなのか

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さて、そもそもなぜシャープレシオを意識したかというと、リターンを追い続けるのは少々無理があると感じているからです。

高いリターンを追うのはキリがないですし、プロでも継続させるのは困難です。一方で異なる資産へ資金を分散させることで、リスクの低減は可能です。前者はコントロールできませんが、後者はある程度コントロールできます。

私の運用計画における目安の年率リターンは5%ですので、5%が達成できているなら、リターンの大きさよりもリスクの低減を目指すべきと考えています。そのため、シャープレシオを一つの運用指標にするのは理にかなっていると考えています。

もちろんこれは私の投資方針であり、投資の目的、運用期間、現時点の試算額によって戦略は異なってくるものだと思います。

シンプルにリターンだけでなく、こういった指標で自らの運用状況を分析してみるのも面白いと思い、紹介しました。

気が付けばもう10月も終わりそうですね。めっきり寒くなってもきました。
みなさん体調にはお気をつけて。

そして皆さんの投資ライフが有意義なものになりますように。

それでは。

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