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【お金の話】資産運用の羅針盤~バンガード4つの基本原則~ #32

おはようございます、ちゃぴのすけです。

今回は、バンガードが提唱する長期投資における4つの基本原則を紹介したいと思います。これは私の投資における指針になっており、言うなれば羅針盤のような存在です。
私がnoteに記載する内容も、どこかしら繋がった内容となっていることが多いので、影響を受けていることがお分かりいただけるかと思います笑。

成功する投資家になるための4つの基本原則

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バンガードが提唱するこの基本原則は同社が創業以来持ち続けている投資哲学で、投資家の利益を最優先とするこの考え方はすぐに私の大切な指針となりました。

残念ながら、昨年日本法人が撤退となりWEBサイトも閉鎖されましたので、この基本原則の日本語訳にはアクセスできなくなりました。英文のものにはアクセス可能です。

私はその存在を知ってすぐに印刷して手元に持ち、定期的に読み返していたのですが、今回はその要点をいくつか抜粋して紹介したいと思います。

以下、英文と日本語訳を続けますが、私が訳した訳ではないです笑
(英語力つけたいですね…頑張って勉強中です)

序文

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Although we offer many specific strategies through both internally and externally managed funds, an overarching theme runs through the investment guidance we provide to clients ー focus on those things within your control.
バンガードは、自社運用や外部委託のファンドを通じて、さまざまな投資戦略を提供していますが、投資方針には一貫して流れる重要なテーマがあります。それは―
「投資家の皆さまがコントロールできることに注力してください」ということです。

最初にこの一文を読んだとき、あぁもっと早くこの原則に出会いたかった、いや今出会えてよかった、と思ったものでした。市場や、個々の株式のパフォーマンスをコントロールすることは出来ない。これが分かっていても、なぜか市場分析や個々の銘柄分析にいそしんでいる自分の行動を振り返って、恥ずかしい気持ちになりました。

このあと、4つの基本原則の解説が続きますが、自らがコントロールできることに注力するということこそが「航路を守る」ということなのだと思います。

※個別銘柄の投資や、テクニカル、ファンダメンタル分析という手法を行っている方を否定はしませんし、それも立派な投資戦略だと思います。ただ、投資の専門家ではない私に合う投資哲学は、バンガードの哲学だった、ということです。そして、きっとそれは多くの個人投資家に当てはまるものなのなのではないか、と思います。

4つの原則は以下になります。順番に要点を抜粋していきたいと思います。

・目標
・バランス
・コスト
・規律

目標 -Goals-

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Create clear, appropriate investment goals.
明確で適切な投資目標の設定

An appropriate investment goal should be measurable and attainable. Success should not depend upon outsize investment returns, nor upon impractical saving or spending requirements.
投資目標は、目標が適切で達成可能でなければなりません。投資のリターンを過度に高く見積もったり、実践が難しい貯蓄や投資計画に基づくものであってはなりません。

資産形成におけるもっとも大切なことはその「目標を定めること」というのは感覚的に思っていたことなのですが、基本原則の最初にこの「目標」が来たことで、私は完全にバンガード信者になってしまったと思います。「やっぱりそうだよね」と。

私の浅い発想はともかく、バンガードの原則は続きます。

Defining the goal and constraints
目標と前提条件を明確にする

A sound investment plan ー or policy statement, for institutions ー begins by outlining the investor's objective as well as any significant constraints. Defining these elements is essential because the plan needs to fit the investor; copying other strategies can prove unwise. Because most objectives are long-term, the plan should be designed to endure through changing market environments, and should be flexible enough to adjust for unexpected events along the way. If the investor has multiple goals(for example, paying for both retirement and a child's college expenses), each needs to be accounted for. Once the plan is in place, the investor should evalluate it at regular intervals.
適切な投資計画(機関投資家の場合は運用ガイドライン)というのは、投資家の投資目的及び、重要な前提条件や制約について、ポイントをまとめることから始まります。投資計画はそれぞれの投資家に適したものである必要があるため、単に他人の戦略をまねるのではなく、ご自身の状況にあてはめて考えることが重要です。多くの投資家は長期的な視点に基づき投資を行う必要がありますので、投資計画はマーケット環境の変化や、不測の事態に柔軟に対応できるように設計しておく必要があります。投資家の方が複数の投資目的を持っている場合(例えば退職後の生活費と子供学費など)、それぞれの目的を考慮する必要があります。また、一度決めた投資計画は、定期的にその計画内容を見直すことも大切です。

最近レバレッジETFが非常に流行っていますが、リターンだけを追い求めて流行りに乗っかるのはどうかな、と個人的には思います。レバレッジはハイリスク・ハイリターン投資ですから、自分の目標において必要であれば良いのですが、レバレッジETFはコストも高いですし、私は自分の投資計画にそこまでリスクをとる必要はないので、今後レバレッジETFに手を出すことはないだろうな、と思っています。

バランス -Balance-

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Develop a suitable asset allocation using broadly diversified funds.
幅広く分散しているファンドに投資し、適切な資産配分を

A sound investment strategy starts with an asset allocation suitable for the portfolio's objective. The allocation should be built upon reasonable expectations for risk and returns, and should use diversified investments to avoid exposure to unnecessary risks.
適切な投資計画は、ポートフォリオの目的に合ったアセットアロケーション(資産配分)から始めます。アセットアロケーションは、合理的なリスクとリターンの予測に基づいて決定する必要があります。そして、資産を不必要なリスクから守るために、分散させる必要があると考えます。

アセットアロケーションは以前の投稿でも触れさせていただいたのですが、「アセットアロケーションが分散されたポートフォリオの長期的なリターンの9割近くを決める」という論文も発表されています。

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幅広く分散された資産配分を持つことで(特に逆相関の資産に分散することで)ポートフォリオの値動きを緩やかにできるのはとても実感しています。
個人的に思うアセットアロケーションの考え方について記載してみたので、もしよろしければご覧ください。

コスト -Cost-

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Minimize cost.
コストの最小化

Markets are unpredictable. Costs are forever. The lower your costs, the greater your share of an investment's return. And research suggests that lower-cost investments have tended to outperform higher-cost alternatives. To hold on to even more of your return, manage for tax efficiency. You can't control the markets, but you can control the bite of costs and taxes.
マーケットは予測不可能です。しかし、コストは常に発生します。投資コストが低ければ低いほど、リターンに対する投資家の手元に残るお金は増えます。学術的な調査によると、低コストの投資は高コストの投資をアウトパフォームする傾向があると指摘されています。リターンに対する取り分をさらに増やすには、税効率に目を向けることも有効です。投資家がマーケットをコントロールすることはできませんが、コストと税金はコントロールが可能な要素なのです。

バンガードのETFはどれも非常に低コストですが、低コストであるというところよりも、投資家の利益を優先すべきというバンガードの思想が個人的には好きです。私の中では投資信託のコストは0.5%未満に抑えたいと思っています。

基本原則の中では年間コスト0.62%と0.25%の差をグラフで示していますが、たった0.4%に満たない差でも、30年後には$55,000のリターンの差が出るとしています。決して馬鹿には出来ない差です。(初期費用$100,000、年率6%、リターンは再投資として試算)

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つい先日、不動産ETFのRWRからXLREに乗り換えたのですが、これもXLREの方がより低コストであったことも理由の一つです。

Investors cannot control the markets, but they can often control what they pay to invest. And that can make an enormous difference over time. The lower your costs, the greater your share of an investment's return, and the greater the potential impact of compounding.
投資家は市場をコントロールすることはできませんが、投資に掛かるコストはコントロールすることができます。長期的にはこの投資のコストが大きな差を生む可能性があります。コストが低ければ低いほど、投資リターンに対する投資家の取り分は増え、福利効果も大きくなるのです。

自らがコントロールできることに注力すべし、というのはまさにこのコストのことなんですね。

規律 -Discipline-

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最後は規律です。ここは日本人の強みなんじゃないか、と私は思います。だからこそ、長期投資は日本人に合った投資手法であるとも思います。

Maintain perspective and long-term discipline.
規律ある長期的な視点を

Investing can provoke strong emotions. In the face of market turmoil, some investors may find themselves making impulsive decisions or, conversely, becoming paralyzed, unable to implement an investment strategy or rebalance a portfolio as needed. Discipline and perspective are the qualities that can help investors remain committed to their long-term investment programs through periods of market uncertainly.
投資は、時に大きな感情の波をもたらします。マーケットの混乱に直面すると、投資家の中には衝動的な行動を取ってしまう人、逆に思考が停止してしまい、投資戦略の実行や必要なリバランスができなくなる人も出てきます。しっかりとした自制心と長期的な視点を持ち続けることで、たとえマーケットが不安定なときでも、投資家は投資目標の達成に向けて、焦点を定めることが出来るようになります。

リバランスを行わない、マーケットタイミングを狙おうと(市場を出し抜こうと)躍起になる、昨年の勝者を追い続ける、といった行動を止めるだけで、本来必要のなかった損失を避けることができると言います。
シンプルに投資をすることが、驚くほど強力な投資戦略だとバンガードは述べています。

恐らくこの「規律を守る」ことこそが、長期投資家にとって最大の難敵であり、最後の最後まで戦い続けることになる難解な目標となるのだと思います。

私もこうやってnoteにアウトプットしたり運用報告をすることは、自らの学習のためでもあるのですが、規律を守るための重要なアクションだと思っています。

まとめ

株式やマーケットの研究に勤しむより、自らがコントロールできることに注力すること。

目標を定め、他人ではなく自らの投資目標にあった計画を定めること。

広く分散された低コストのインデックスファンドに投資することでリスクを抑え、リターンの期待値を上げること。

規律を守り、市場のから騒ぎに惑わされず、自らの航路を維持すること。

シンプルでいて難しい、難しいようで非常にシンプルな4つの基本原則。つい様々な情報に触れると忘れがちになってしまうこの基本原則を、これからも定期的に読み返しながら、自らの航路を進んでいきたいと思います。

長くなってしまいましたが、今日はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

皆さまの投資ライフが有意義なものになりますように。

それでは。

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Special thanks to Unsplash.
Thank you for the wonderful photos.

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