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【資産運用】インフォメーションレシオについて #48
こんにちは、ちゃぴのすけです。
年末に差し掛かり、来年の運用方針を色々と検討しております。その流れで、今日は投資信託の指標で用いられるインフォメーションレシオについて書いてみたいと思います。
インフォメーションレシオとは
まず教科書的な説明として、野村證券様の説明が分かりやすいので引用します。
投資信託の運用成績を測るための指標のひとつ。アクティブ運用部分の評価に用いられるのが特徴。情報レシオ、情報比とも呼ばれる。
ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンとの差(アクティブリターン)の平均値をアクティブリターンの標準偏差(トラッキングエラー)で割って導出される。
アクティブリターン÷トラッキングエラー
ベンチマークからの超過リターンを得るために、どのくらいリスクがとられたかを計測し、この数値が大きいほど、とられたリスクに対する超過リターンが高く、アクティブ運用の効率が高いことを示す。
ぱっと見、イメージがつきづらいですが、主にアクティブ運用のファンドがベンチマークよりもどれだけ効率的に超過リターンを得られたかを示した指標です。いわばアクティブファンドの成績表と言ってもいいでしょう。
諸説ありますが、インフォメーションレシオが0.5(or1.0)以上だとそのファンドマネージャは優秀とされます。
インフォメーションレシオの求め方
![](https://assets.st-note.com/img/1639204715903-dA7UsIIzsi.png?width=800)
野村證券様の説明通り、インフォメーションレシオは以下の式で求められます。
アクティブリターン ÷ トラッキングエラー
横文字が続きますので、補足します。
・アクティブリターン
ベンチマークとしている指標に対し、どれだけ超過リターンを得られたか、の値です。ベンチマークが+5%のリターンだった期間に+10%のリターンを得られた場合は、10-5=5でアクティブリターンは+5%になります。ですのでパフォーマンスが悪ければマイナスもあり得ます。
・トラッキングエラー
アクティブエラーの標準偏差です。ばらつきを表しています。標準偏差については、シャープレシオの記事でも触れているので、ご参考にしていただければと思います。
※ちなみに、インデックスへの連動を目指したパッシブ運用のファンドの場合は、このアクティブリターンやトラッキングエラー、つまりインフォメーションレシオが限りなく0に近いことが望ましいとされます。値が大きくなるとベンチマークに連動できていないことになりますので、パッシブ運用のファンドとしては好ましくありません。ですので、あくまでアクティブ運用のファンドを評価するための指標ということになります。
それでは実際に、私の運用資産の直近のパフォーマンスを分析してみたいと思います。ちなみに、ベンチマークは三菱UFJ国際投信様のeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)としました。私のポートフォリオは米国株オンリーではなく、様々な資産へ分散投資しておりますし、円建てですので、ベンチマークとするのに好ましいと考えています。
・直近のパフォーマンス
10/29~12/10の週次ベースのパフォーマンスを記録した表です。
![](https://assets.st-note.com/img/1639202480299-MxRR2gFT6n.png)
普段は月次でリターンを記録しているのですが、10月末より週次での記録を始めました。
・増減率
入金分を除いた純粋な資産成長率です。ここ1ヶ月ほどは右肩上がりではなく、少々相場が荒れていましたので、サンプルらしいデータになりました。
※なお、週のどのタイミングで入金をしたかにより、導き出される数字に差異が発生しますが、今回は全て週末に入金したものとして計算しています。厳密には日次で評価したほうがより正確なパフォーマンスとなりますが、あくまで感覚的につかめればOKというルールで運用していますので、近似値を求めるところまでで満足としています。
・リターン(年率)
週次の増減率から1年=52週として年率換算しております。
参考までに数式は以下になります。
=PRODUCT((D4+1),(D5+1),…,(Dn+1))^(52/COUNT(D4:Dn))-1
週次増減率の幾何平均を求め、それを1年=52週とし年率換算しております。
・リスク(年率)
こちらも1年=52週として年率換算しております。エクセルであれば関数で簡単に導き出せます。
=STDEV.P(D4:Dn)*SQRT(52)
・直近のインフォメーションレシオ
それでは、このパフォーマンスとeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)と比較してみます。
先述の通り、週次のリターンの差がアクティブリターンです。
アクティブリターンの標準偏差がトラッキングエラーとなります。
なお、アクティブリターンの年率換算は単純平均をベースとします。数式にするととてもシンプルです。
=AVERAGE(U4:Un)*52
トラッキングエラーはシャープレシオのリスクの求め方と同一です。
実際に計算した表が下記になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1639262602808-UbXh48jQ6J.png)
アクティブリターンがプラスであれば、私のPFの方がパフォーマンスが良く、マイナスであれば悪かったことになります。過去6週ですと4勝2敗となっています。
年率換算したアクティブリターンをトラッキングエラーで除した求めた数字がインフォメーションレシオです。
・長期間で見るべき指標
数字を見ていただければ一目瞭然なのですが、シャープレシオもインフォメーションレシオも数字が非常に振れています。
これらの指標はできる限り長期で導き出すことが望ましく、少なくとも1年、より信頼性の高い数字は3年以上の期間から導き出す方が望ましいでしょう。
今回はたった6週間でしたので、導き出した数字はあまり参考にならない数値なのですが、今後、継続して記録していきながら、推移を追っていきたいと思います。
過去3年のシャープレシオとインフォメーションレシオ
上記とは別に月次で記録していたものがありますので、ご参考までにそちらの数字も載せておきます。
私が資産運用を開始したのが2019年1月であり、そろそろ丸3年を迎えますので、少しは信憑性の高い数値にはなっているかと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1639778043981-Qa0rHayjJP.png?width=800)
一番直近の数値は以下のようになっています。
2021年12月時点
シャープレシオ:2.22
インフォメーションレシオ:0.63
数値としてはとても良いですね。米国株の上げ相場に乗れたことと、持株会のパフォーマンス、あと為替の影響もありそうです。
ちなみに、グラフの通り、運用2年が経過してきたあたりで、数字のブレが少なくなっています。やはり、それなりの期間で見るべき指標ということです。
2022年はこれらの指標を意識したい
前置きが長くなりましたが、2022年はシャープレシオとインフォメーションレシオの指標を意識していきたいと思います。
リスクに対するリターン…という指標ですので、注意すべきはリターンの大きさを表す指標ではないことですが、どれだけ効率的にパフォーマンスを上げているかを測りますので、個人的にはとても好ましい指標です。
私個人としては、リターンを追い求める攻めの戦略よりも、守りも考慮しながら資産の最大化を図っていきたいと思っております。個人的に自分のリスク許容度がそこまで高いとは思っていませんので、これらの指標を向上させていくことに対し、ワクワクするものがあります。
現状、数値は良いのですが、まだまだリスクの高さが目立つPFでもありますので、リスクを抑えることに注力しながら資産を育てていきたいと思います。
本日は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様の投資ライフが有意義なものになりますように。
それでは。
![](https://assets.st-note.com/img/1639204661441-JCm0B66htL.png?width=800)
※参考文献
資産運用のパフォーマンス測定【第2版】-ポートフォリオのリターン・リスク分析
アセットマネジメントOne(著, 編集)
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