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蛙化現象

少し前に流行った言葉『蛙化現象』

突如SNSに流れてきた、この言葉をググった記憶がある。

語源は王子さまが〜蛙に〜
僕はこの物語は知らない。

ふと昔の事を思い出した。

小学生の時に好きな子ができた。
彼女の名前はミユキという
家庭の事情で転校してきた彼女は

・小動物系のルックス
・大きな瞳で黒目の面積が多い
・よく笑う

クラスにもすぐ馴染んで、男女問わず人気者だった。

僕の学校は田舎で、幼稚園や保育園からそのまま小学校にあがるパターン、ほとんどが幼少期からの知り合い。なので学年全体で仲が良かった。

そんな環境化なので彼女とも仲良くなるのには、そんな時間がかからなかった。
そして僕には初恋に近い感情があった。

そんなある日
テスト返却の時間があった。
教壇に先生が立って1人1人、名前を呼ばれて受取るという。そう、あの時間

明日から夏休みという事もあって、クラスにはガチャガチャ浮ついた空気が流れていた。

彼女の名前が呼ばれた。
僕はサラサラの黒髪をなびかせながら、テストを受取りに行く彼女の後ろ姿を目で追っていた。
たぶん僕だけではない、何人か同じ感情を持っていた男子は数名いたと思う。

振り向いてこちらに向かってくる彼女
その大きな瞳、笑顔をずっと見ていたい。
まさにそんな感情だった。

そんな時に僕は何を思ったのか
右足を通路側に放り出した。

僕は異性にイタズラやちょっかいをかけることでしかアピール出来ない。典型的な小学生だった。

足に引っかかる彼女

ゴンッ! 

鈍い音がクラス中に響き渡った。
クラスの視線が床に倒れる彼女に集中する。

通常人間は転ぶ時、反射的に手を前につくものである。

彼女は顔から床についていた。
その両手両足を広げた光景が僕には蛙の死骸に見えた。

彼女に駆け寄る女子達
僕に向けられた冷たい視線
何とも言えない時間が流れた。

僕は微動だにすることが出来ず。
蛙の様に床に倒れた彼女を、ただずっと見つめていた。

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