エモすぎる内向的ガール、Z世代mxmtoon
Spotifyのインディー系プレイリストを聴いていて、良いなと思うアーティストに20歳未満のZ世代が多いことに驚く。ひと昔前に宅録系と呼ばれていたインドアDIY音楽が
ベッドルームポップと称され新たなトレンドになっている。
mxmtoonことマイアの「prom dress」という曲を何かのプレイリストでたまたま耳にして、思わず立ち止まってしまうように引き込まれた。
メロディーだけで、なんだか青春の切なさが伝わってくる。
私にとって2019年1番ハマった音楽。
プロムは楽しいだろうなと思った。
でも私はここに座ってプロムドレスを着て泣いている。
もし“泣き”のコンテストなら、私がプロム・クイーンになる。
という、悲痛な心情を歌っている。
実際にマイアはプロムドレスを着た自分を見てパニック発作的に泣きまくったらしい。
自分の高校生活は幸せだったのか?という自問自答のような歌だ。
カリフォルニア出身の中国系アメリカ人。ウクレレを弾きながら軽やかでかなり大人っぽい歌声で歌う、2000年生まれの19歳。
どれも優しい楽曲ばかり。ナチュラルかつ深みのある歌声でYael NaimやRegina Spektorに近さを感じた。きっと周りから浮いちゃうくらい大人びた雰囲気の子なんだろうなと思っていたんだけど、
マイアが人気を博したtiktokを見たら、とても無邪気な今時の動画でジョークを交えて遊ぶ女の子だった。
ただ、マイアがソーシャルメディアの中で楽しそうにしているのは、学校生活上では周りに合わせられずひとりでいることが多く、自己表現できる場をオンライン上で見つけられたから。
9歳のときに両親から自分用のGmailアカウントをプレゼントされ、それ以降youtube、facebook、twitter、tumbler、
instagram、vine、soundcloud、tiktokなどなどあらゆるソーシャルメディアを自己表現の場として人と繋がるために活用した。
マイアが歌詞に表すのは、ほとんどが内向的な自身のこと。
高校生活の疎外感、不安、うつ、偽りの自分、、、
自分自身を見つめて理解して、感情に浸って、暗闇と光を混ぜ合わせた言葉とメロディーで日記のように綴っている。
自己意識が強くセンシティブで思慮深さのある女性だ。
こういう人にとって、音楽だったり何らかのアートで吐き出さないと「死ぬ!」ってくらいツライのかなと思う。
スーパーオーガニズムのオロノもそんなことを言ってたような。
そういう人が作るアートはとても美しくて、同世代の同じ思いをしてる人にも、10代のときに同じ思いをした歳を重ねた大人にも美しいまま届き感性を揺さぶられる。
繊細に色んなことを感じ取って、学校以外の世界や大人から色々吸収してるんだろう。
girl in red、Rex orange country、clairo、beabadoobeeなどなどプレイリストで聴く似た系統のアーティスト色々良いなと思うんだけど、mxmtoonはめちゃくちゃ特別に好き。ベッドルームポップとかZ世代とかで括りきれない。良い意味で新しさがない。めちゃくちゃ普遍性があってどの世代にも響く素晴らしい歌声だと思うの。
もっともっと人気になって来日してほしいな。
有能なソーシャルメディア世代は早い段階で多くのファンを獲得できる。
その結果、燃え尽き症候群になる傾向があるようなので、
パフォーマーとしての設計をしっかりサポートしてくれるビジネスパートナーが必要みたいだ。
「音楽はもう十分。もういいや!」て切り替えるのも、それはそれで良い気がするけど。
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