【映画の感想#41】見えない目撃者

アマゾンプライムビデオで面白そうだったので見始めたんだけど、少し見たところでちょっと怖くなってしばらく放置していたんだけど、覚悟を決めてやっと見終えた。サスペンスなんだけど、ちょっとグロいシーンやホラーっぽいシーンが出てくるので、そういうのが苦手な人は気を付けて見た方がいい。私もR15＋指定だったので警戒していたけど、想像してたよりちょっと厳しめだった。

自動車事故にあって目が見えない状態になってしまった警察官をめざしていた女性が、たまたま女性が拉致された車と遭遇してしまう。同じタイミングでその車と遭遇した高校生と一緒に事件解決に乗り出すという話。元々韓国の作品で、人気があってか中国、そして日本でもリメイクされた作品らしいんだけど、確かになかなかのサスペンスドラマになっている。特に主人公が盲目というのが意外と新しいし、演じた吉岡里帆が素晴らしい演技だった。

やっぱり目が見えない演技っていうのは、どうしても動いてる物を目で追っちゃって、かなり難しいと思うんだけど、見ていて全く違和感のない演技だった。そして目が見えないといっても、ごくたまにうっすらと見える事があったりして、その時々の吉岡里帆の微妙な表情の変化が上手いなと思った。とにかく吉岡里帆は可愛いだけじゃないんだぞと見せつけてくれた映画だった。

脇を固める役者も良くて、高杉真宙、大倉孝二、國村隼などが素晴らしい演技をしてくれる。その中でも署内で捜査反対の流れがある中、前向きに捜査をしてくれる刑事役の田口トモロヲがまた素晴らしい。のんびりしつつも冷静に事実を整理して捜査を進めていく姿は、熱血漢の刑事ドラマが苦手な私の求めていたもので、とても気持ちよく見れた。

ただこの映画の設定は凄くいいんだけど、残念ながら後半が単調で退屈してしまうのが残念だった。犯人との格闘シーンを描きたかったんだろうけど、犯人がわかっているのに集団で突入しないのがあまりにも意味不明。それ以外にも駅に人が全くいないとか明らかにおかしい部分もあったけど、これは話の流れで気にならなかった。それでも後半はもうひと工夫欲しかったな。

最近、良い演技をする役者さんが増えてきたのに対し、それだけの脚本、映像を取れる人が追いついていないような気がする。この映画を見て吉岡里帆を可愛いだけで使い捨てされるのはあまりに惜しいなと思ったし、色々な役をやって欲しいなと思った。

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