第13回 ど文系のお金の話

第13回ど文系のお金の話、前回に引き続き金融用語の解説です。
本日のお話は「短期金利と長期金利」、「予想収益率」、「リスク分散効果」、「効率的フロンティア」の4つ!
なんとか乗り切りたいと思います。

まずは短期金利と長期金利です。短期金利とは満期までが短い金利のことを言います。長期金利とは満期までが長い金利のことを言います。長期金利とは現在から将来の短期金利の平均値であり、将来金利が上がっていくと思われれば現在の長期金利は短期金利よりも高くなります。
同額の資金を2年間2つの方法で運用するとします。1つ目は満期までが2年の債権を買って2年間運用する方法、もう1つは満期までが1年の債権を購入し1年後についた利息も含めてもう一度同じ債権を購入数方法です。論理上は2年間全く同じ額の資金を二つの方法で運用しているので最終結果はどちらも同じ金額が手に入るはずです。
この法則を純粋期待仮説と言います。
しかし純粋期待仮説には資産の運用方法によってリスクが付いてきます。この例の場合、2年で満期が来る債権は2年後のリターンが確定しています。しかし、現実には1年で満期になる債権を2回購入すると、2回目に債権を購入する際の利回り最初の時点ではわからないので運用結果が不確定になります。

前回お話しした通りリスクが高い金融商品にはリスクプレミアムがつき、投資に成功したさいのリターンが大きくなります。しかしこのリスクプレミアムがどの期間の再建につくかはわかりません。投資家が2年満期の債権を満期まで保有することを選べば、1年満期の債権のリスクプレミアムはさらに上昇します。一方投資家が同じ額の資産の運用年数を2年から1年に変更すると、2年満期の債権を1年で売却することを選べば、債権の利回りは確定しないのでリスクプレミアムが上昇します。金融商品のリスクは投資家が長期金利を好むのか、短期金利を好むかによって変動します。このことを特定期間選好仮説といいます。

この特定期間選好仮説は利回りの変動に影響を与えます。また、将来の短期金利の各投資家の予想が利回りの変動に影響を与えます。これともう一つ、流動性プレミアム仮説が利回りの変動に影響を与えます。
流動性プレミアム仮説とは、流動性が低いほどすぐには現金化できずリスクが上がり利回りが高くなることです。
長期債は満期まで保有することによりリターンが確定する債権なので流動性が低いです。そのため短期債よりも利回りが大きくなるとも言えるのです。

ここからは「予想収益率」、「リスク分散効果」、「効率的フロンティア」の話に移ります。
まず予想収益率とはとある資産の利回りを確率変数ととらえた時の平均のことです。そのへ標準偏差が運用リスクの指標として用いられます。
確率変数…?標準偏差…?ナンジャラホイと思いますよね。
株や債権の利回りは3%など○%と方言されることが多いですよね。この○%というのはその資産を運用した時の、損する確率、ちょっと得する確率、かなり得する確率といった運用結果の平均によって決まります。この平均のことを予想収益率と言います。損するか、得するかさまざまなパターンで最も出やすい運用結果のことを標準偏差といいます。この標準偏差がその資産のリスクを表す指標として活用されます。

お次はリスク分散効果です。リスク分散効果とは複数の危険資産を持つと、その資産どうしの関係が比例の関係でも反比例の関係でもなければリスクが低下することです。正比例の関係は何かトラブルが起きたらどちらもダメージを受けてしまいますし、反比例の関係では片方の調子が良くても片方の調子が悪くなるのでどちらの場合もリスクは分散できません。全く違う値動きをする商品を組み合わせると成績の良し悪しが分散するのでリスクの偏りが減ります。これは確率のお話です。
Aという袋の中に-1、1、3と書かれているボールが入っており、Bという袋の中に-2、4、6というボールが入っています。A、Bそれぞれからボールを1つずつ取り出して、ボールの数字を足した結果がマイナスになる可能性は、一つの袋からマイナスが出てくるよりも下がります。これがリスク分散効果です。

最後に効率的フロンティアです。
その前に寄り道で市場ポートフォリオの説明です。市場ポートフォリオとは安全資産と危険資産を組み合わせたとき、一番効率的に利益を獲得できる資産の組み合わせのことです。複数の資産の確率変数をグラフにとり、線で繋ぐと曲線が現れます。これを機会曲線と言います。
効率的フロンティアとは機会曲線が示すとある平均収益率(利回り)を達成するときの、実現可能な最も低い標準偏差(リスク)のを示す曲線のことを言います。この機会曲線上のどの点が好ましいかは投資家によって異なります。

以上、投資にまつわる金融用語の解説でした!
過去最長の2000文字ごえ…。ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました!
まだまだ続きますので引き続きよろしくお願いします!
次回は株がどのように売買されるかを解説していきたいと思います。次回も読んでくださいね!