見出し画像

カスタマーサポートのマネージャーが知るべきTips4つ(KPIと心得)

「スタートアップの"オペレーター"に届けるCSノウハウBook」の4回目の記事です。今回は、カスタマーサポートのマネージングをするにおいて、参考にするべきKPIとマネージングするさいの心得について話します!

1回目:オペレーターの職種
2回目:会社で愛されるオペレーターの実務者としてのノウハウ
3回目:CEOが知るべきカスタマーサポート運営の基本原則

1. カスタマーサポートのKPIは、問い合わせ率とワンストップ処理率

従来の"買い切り"消費文化時代のカスタマーサポートのKPIは、"1日の問い合わせ処理件数"や"問い合わせの処理時間"、"オペレーター一人当たりの人件費"でした。

もっと多くの問い合わせを、もっと安く、もっと早く処理するところを重視したKPI設計となっていました。

「なぜこの問い合わせが発生したのか」について考えず、入ってきた問い合わせの処理方法だけがマネージャーの興味だったでしょう。

カスタマーサクセスの観点で見ると、顧客がどんな点に不便さを感じて問い合わせをしたのか考えるが優先されなくてはなりません。プロダクトやサービスが市場優位性を維持するためには顧客を満足させなければならず、不便さや不満は取り除いていかなくてはならないのです。そのためのKPIは2つです。

1) 問い合わせ比率

サイトの成長に関する指標に対する問い合わせ件数です。例えば、取引額、決済数、加入者数などのサービスの成長を表す指標に対する問い合わせ件数の割合を確認しましょう。サービス利用者は増えているが、問い合わせ数がそれほど増えていないのであれば、サービスの運営がうまくいっている証拠となります。

2) ワンストップ処理率

サービスが不便で、しょうがなく電話をしてきたとしましょう。その時に担当者がすぐに対応をしてくれて解決したら嬉しいですよね。逆に、「担当者に確認しますので後ほどかけなおします」と言われたら、しょうがないと思いつつ、嫌気がさしますよね。最初に担当になったオペレーターが一人で問い合わせを処理できる比率が、「ワンストップ処理率」です。

2. 問題が解決されるたびに、再発を"恐れる"のではなく、"自信"がついていくようにしよう

ベラの場合もこう願っていたそうです。

問題がない世界で生きたいな

そして、こんな世界が存在していたらしいです!

ビジネスがうまくいっていない時ですww

成長しようとすれば、ビジネスは問題が起きるしかないのです。問題はともに歩まなくてはならない戦友と思った方が心が楽です。問題を解決しながら、より成長していくことでビジネスはより強固になっていきます。問題作りたくないなら、解決するための環境を作りましょう。

CS歴21年のベラがもっとも恐れているのは、まさに

腐りきった問題

だと言います。長期的な問題ほど、不便さを経験した顧客も多く、問題も複雑になっています。モンスターカスタマーの問題も、顧客のフィードバックも、重要な問題から素早く解決するのが基本です。

非難批判を恐れるのではなく、素早く問題を解決するために共有をすることが大切です。これをやってしまったら怒られる!!という考えを先にさせる文化ではなく、これはあなたがこうすれば解決できますよ!と信頼とアドバイスを与えられる文化にしましょう。

経験した人も多いと思いますが、問題をきちんと解決できた後には自信がつきますよね?こんな問題がおきても私たちはきちんと解決できるんだという自信がつけば、モチベーションも上がります。対応方法を順次マニュアル化していくのもお勧めです。

3. 拒否の言葉を克服しよう 

カスタマーサクセスができるオペレーターは、「いつどこでもコミュニケーションができる人」になるべきです。カスタマーサポートチームは、重要な戦略やリリースについて、後から知らされる場合が多いのです。

ただ、できるオペレーターは、必ず組織がどのように回っているのかを把握しています。普段から他部署のメンバーとも会話し、信頼を集めています。組織のビジョンも理解し、組織にプラスになる提案ができるのです。

でも、良いアイディアを出してあげたのに、話を聞いてくれない場合もありますよね?その時はどうするべきか?

また、話してください。

ランチの時に聞いてくれなかったら、退勤前にも話してください。それでもだめなら、翌日の休憩時間にまた話してください。

オペレーターが克服するべきものは、

「やらないでください」「よくないと思う」

という拒否の言葉を正しく理解するということです。実際、誰かにこれをやりたい!と言った時に、「やらないでください」「よくないと思う」と言われた時には、

それ自体をやらないでください

と言われている訳ではないのです。正しい理解は、

そのコミュニケーションの方法をやめてください

ということです。他部署の人が理解してくれるコミュニケーションや提案の方法を試してみましょう。そうするとだんだんと相手がなぜ拒否したのかを理解できるようになります。そしていつ日か、上司が「もう一度考えてみたけど、良いかも」こういうのです。

普段から積極的にコミュニケーションを取ることで信頼関係を作っていくことができるオペレーターになるコツです。

4. カスタマーサポートチームをなくすのを夢に!

ベラの夢は、「カスタマーサポートチーム」をなくすことです。顧客が不便さを感じない、エフォートレスに自ら問題を解決できるとても理想的なプロダクトにすることです。

実際、ベラはこの夢を達成しつつあります。問い合わせ件数が最初は300件だったのを、1年も経たずに150件と半分に減らしました。

その秘訣は、オペレーターに、

カスタマーサポートとそれ以外のプロジェクト業務を兼任させたことです

実際、オペレーターは1日に10~20件のお問い合わせの対応をしますが、同時にプロジェクト業務を行います。そうすることで、お問い合わせを減らすことの重要性を気づかせています。お問い合わせを減らすためには、CX的な観点からサービスやプロダクトを見つめ直し、プロダクトチームに改善に繋げる提案をするようになります。

まとめ

つまるところ、顧客とのコミュニケーションも他部署とのコミュニケーションもできるオペレーターが最強のオペレーターです。どんなオペレーターになるべきかぜひチームメンバーと話してみてください。組織の目標を達成するために、カスタマーサポートがやるべきことは何か自ら考え、実践していくことで組織にとって必要とされる強固なチームに成長できるでしょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?