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人生初の救急搬送

人生初の救急車にて病院まで運ばれたわたし。


家からの最短ルートをイメージしても
15分はかかるところを
5分ほどで到着したことに

こんなに早く着くものなのかと…

と、呆然と考えていました。

救急外来へと運ばれたわたしは
頭部まで及びそうだった
首の傷を確認するために
右側の首後ろだけバリカンを喰らうはめに。


片側だけのかりあげくんと成り果てたわたしは
社会復帰後の髪型ばかりが
やたらと気になってしまったのですが
そんなしょうもない事を考えている間に
着々と処置は進んでいき
縫合のためにストレッチャーごと
オペ室へ移動。

エレベーターで看護師さんが間違えて
地下2Fのボタンを押し

「霊安室は、まだ早いな」
と、さらっとツッコむ医者。

そんなやりとりに

「さっそく入院中のネタができた、なんとかなりそうだ…( ´•౪•`)」

やけに安堵感を覚えたのでした。

オペ室での処置は
局部麻酔での縫合だったのですが…

固まってしまった血を流すために
傷口を洗われるのがとにかく痛い。

感覚としては
傷口をタワシでゴシゴシされて
いるような…

「これって、タワシで洗っているのですか?」

そんなわたしの質問に

「山ギリカットのビトウィーン」

と淡々と答える主治医。


「先生!違いますよ!豚毛の医療用のブラシですから安心してくださいね!」

真面目に答える看護師さん。

なんとも明るいオペ室。

刺身包丁との一戦で受けた傷は
全て肋骨の上を通っていたため
内臓へのダメージなどの致命傷は一切なく

「回避するのが上手い…」

と主治医も絶賛。

この瞬間、
突然の修羅場を潜り抜けた猛者

【フェニックス・よしだ】

が爆誕したのでした。


刺身包丁でやられた、胸部・腹部の傷は順調に縫合されたのですが
後ろ首の傷を、どうやって縫合するかというところで
医療陣が悩み始めました。

というのも、私の身体をどうやってひっくり返そうか
というのです。

「せーのでシーツをひっくり返して、隣の台に移しますか?」

え…
それめっちゃ痛そうなんだけど…: ( ºωº ;):

意識バリバリのわたしは、第三者にひっくり返されるのがやたら不安になりました。

ともすれば、自分で行った方が早いのでは・・・

つい数時間前まで、刺身包丁と戦ってきたおかげで
今ならなんでもできると思ったわたしは

「自分でうつ伏せになります…!!!」

と自ら起き上がり、唖然とする医療陣を横目に
隣の台へうつ伏せに。

『これだけ元気なら
明日には退院して仕事に行ける!!』

『わたしはもう大丈夫!!』

私はとにかくそう思いたかったのでした。

そう思わなければ
どうにかなってしまいそうだと
無意識に感じていたのでした。

しかし、そんな前向きな気持ちとは裏腹に
現実はなかなかに厳しく立ちはだかるのでした。


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