2020年2月2日

先日の東京藝術大学での公開講義で、中原浩大さんに「情報が限られてませんか。アイテムを拾ってるように聞こえたんだけど。もっと情報ではない部分がたくさんあると思うので。」と言われたことをずっと考えています。なるほど、情報以外の部分ですか…。しかもそれが、たくさんある、らしいではないですか…。なんてこった。と思い、それはどうしたら、どこへ行ったら、誰に聞いたら、何を見たら知ることができるんだと調べたりしていました。が、調べて知れることって、それは情報ではないかと、今、気がつき、愕然としています。

情報以外の、例えばその場の空気感とかって、確かにすごく大事だと思います。例えば、お笑いだって音楽だってその場の「ノリ」によって次のステップにつながっていくわけで。とはいえ、それは、その場にいた人やその時代を生きた人が知る特権であって、生まれていない私たちがそれを知るには「情報」に頼るしか知る余地がないと思うのですが、どうでしょうか。

確かに「情報」というものには偏りがあります。どうしたって、情報発信者の主観が入るわけです。あの日の公開講義も、90年代についての話題は避けられていた気がするし、でもそう思うのも私の主観であるわけです。何が言いたいのか、うまくまとまらなくなりました。一旦整理します。

ともかく、私がレントゲン藝術研究所だけでなく90年代の日本のアートシーンを知るためには、情報でしか知ることができないんじゃないでしょうか。一方的に偏った情報だけでなくて、あらゆる面から見た情報を知ること・その情報が多ければ多いほど、情報以外のことをイメージすることができるのではないかと思います。でもそれには、情報が無いと成り立たないわけで、だからこそ、アーカイブすることが重要なんだと思います。

確かにアーティストは作品を作ることが大前提ですから、過去ではなく今であるのは重々承知で、むしろそうでなくては困ってしまうけれど、私の役目は、あの時のようにウザがられても質問を繰り返すことなのだろうと思います。

で、最近よく見ている、一押し情報を載せま〜す。
https://youtu.be/n2Hf-bu3sH8

これは、1991年6月27日~7月6日に青山のTEPIAで開催された展覧会「ART LAB」の映像です。中原浩大さんが参加しており、その他、平野治朗さんと松蔭浩之さんコンビのコンプレッソ・プラスティコと福田美蘭さんが出品しています。「キヤノン・アートラボ」は、キャノンの文化支援プログラムで、1990年からスタートしました。「ART LAB」展はシリーズになっていて、その第一弾の記録がこの映像なわけです。キュレーターは阿部一直さんと四方幸子さん。このお二人もまた重要人物ですね。今、東京都現代美術館で開催している「ダムタイプ展」にある古橋悌二さんの《LOVERS》(1995年)や私の大好きな三上晴子さんの《Molecular Informatics―視線のモルフォロジー》(1996年)などのキュレーションなども手掛けています。で、重要ポイントですが、このYouTubeの映像を何方がupしているかというと、四方幸子さんなのですよね。四方さん貴重な映像をありがとうございます。良い情報をゲットしたぞ。

さて明日は、八谷和彦さんにインタビューをします。
お楽しみに☺︎


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