fo(u)rtunes展と研究環境の見直し

コロナの影響で大学が入校禁止になり、早数日が経ちました。研究資料が大学にある為、調査が全く進みません。皆さんはいかがお過ごしですか?

私は只今、絶賛「fo(u)rtunes」展についてのZINE制作に取り掛かっています。が、大学に入れない!!!作品の情報を調べたくとも、大学に入れない!もっぱらネット上にも情報がない!イライラして、この記事を書いております。
イライラしても埒が明かないので、心を落ち着ける&頭を整理する為に、今日は「fo(u)rtunes」展について少し話をしたいと思います。

「fo(u)rtunes」展というのは、1993年にレントゲン藝術研究所で2期に分けて開催されたグループ展です。第1回は1月15日ー1月27日に開催され、小沢剛さんと中野渡尉隆さんが参加しました。小沢さんの作品に関しては、小沢さんの図録などを見ると載ってるのですが、中野渡さんに関しては、かなり限られた情報しかありません。私のわかる範囲で言えば「バイクなんだけれど、後ろ向きに走るバイク」ということだけ分かっていて、写真を見る限り、中野渡さんのHPにあるこの作品のことだと思います。

でも、サイトには1994年と表記があるので、「fo(u)rtunes」展に展示された作品は少し違うのかもしれません。中野渡さんは、中野渡尉隆・佐藤尉隆・中野渡汐という3つ名前があるらしい(とはいえ、それがどういう基準で変化してるかはまだ突き止められていませんが)ので、それで家で調べられる範囲で頑張ってみると、「アサヒカメラ 1993年4月増大号」に「fo(u)rtunes」展について記述があることがわかりました。それによると、作品名が《フォー・トータル・ブラインド・ジェネレーション》であることが判明。しかも写真付きで、撮影は池内さんでした。キタァーーーー!!!池内さんということは、この写真をどうにか次回のZINEに載せられるかもしれないということです。ただし、大学の入校禁止令が解け、大学でポジを探し、それをスキャンし、それを池内さんに確認してからになるのでまだわかりません。が、ひとまず、楽しみにしていてください。

「fo(u)rtunes」第2回目は1993年2月5日 ー2月17日に開催。参加したのは会田誠さんと鳴海暢平さんです。
会田さんはTokyo Art Navigationの記事に情報が少し載っているので参考にしてください。展示風景の写真も載ってるの!でもこれはクレジットがミズマさんになっていますね。ZINEに載せるには著作権が気になる所です。

問題なのは鳴海さんです。彼の作品の情報を誰か!ください!
聞くところによると「動物にカメラを装着した作品」という噂をきいたので調べてみました。夜な夜なdigっていたらこんな写真を発見。

犬にビデオカメラを取り付けているところ
NHK教育テレビ『新日曜美術館』より 1997 (c)NHKエデュケーショナル

多分こういうことなのだと思われます。ただ、展覧会の期間中にどういう状態で展示をしたのかは未だ不明なままなので、調査を継続します。

ちなみにこのdnpというサイト(artscapeの前身)にインタビューが載ってました。しかも聞き手は中村ケンゴさん(私がレントゲンについて研究することを決めたのはケンゴさんと池内さんのトークショウがきっかけなのです)です。

さて、ここまではネットで調べることができます。ここまでが限界というべきか。大学に行きたいです。どうにか行きたい。家にいると、朝から晩までネットサーフィンをしているだけの娘でしかない(本人は至って真剣に調査をしているのだけれど)ので、肩身が狭いです。どうにか大学を開けてください…。国会図書館にいくという手もありますが、国会図書館でできる調べ物はここ数日でやり尽くしました。

こんなことが今後あるようではまずい。大学ではなく、研究環境を家に移すということを考えざるを得ません。でもそれをすると引きこもり一直線になる可能性が濃厚。研究者の方はそこらへん、どう折り合いを付けているのやら。

最後に、「fo(u)rtunes」展のキュレーターは忘れずに紹介しなくてはなりません。西原珉(名前の読み方は「みん」)さんです。当時の雑誌SPA!などに載っている珉さんのテキストはキレッキレですごくかっこいいんです。そういうのもどこかで皆さんに読んでいただきたいです。そうそう、珉さんが今月18日から4月くらいまで90年代にまつわる展覧会を3331で開催するらしいです。アートフェア東京が中止になった今、その展示もどうなるかわかりませんが、噂によると、結構贅沢な展示になるようですよ!私も何かしらでどうにかして関わりたいものです。なんなら床掃除とかでもいい。

とはいえ、もう、なにがどうなるか全く予測不可能な状態ですので、みなさんも気をつけてくださいね。

P.S.
パソコンのデスクトップを三上晴子さんのスーパークリーンルームの写真にしてたのに、ちょっと今これをデスクトップにするのは尖りすぎかな、と思ったので一旦変えました。

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