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「大人になんかならないよ」と「パーマンはつらいよ」

ある日ふとアニメのオバケのQ太郎のOP『大人になんかならないよ』という曲を思い出し、「恨めしいなんて流行遅れ どんな事でも楽しくしちゃう」という歌詞は、今どきオバケですら恨めしい気持ちがないのに、人間というのは他人を恨んだり妬んだりして近くに転がっている楽しみすら見落としてしまうという皮肉が込められているのではないかと拡大解釈していました。拡大解釈というか妄想なのでそんな意図は無いと思いますが、私の厭世観が凄まじいことだけは分かりました。「大人になんかならないよ」なんて小さい頃は大人になる自分を想像出来なかったのでピンと来ませんでしたが、いざなってみるとずっと子どものままで良かったと思ったり・・・。

この曲がOPだった第3作目のオバケのQ太郎のアニメが放送されたのが1980年代で、私は生まれてはいないんですけど家にVHSがあり小さい頃は繰り返し見ていました。思えばオバQとかパーマンとかその時放送していたアニメをそっちのけで生まれる前のアニメばかり見ていた気がします。ポケモンとかデジモンとか、ドラえもんとかクレヨンしんちゃんくらいは見ていましたけど犬夜叉とかガッシュを見て居なくて友達との会話についていけなかった事もありました。

パーマンの名前を出したのでそこから話を派生しますが、正月に藤子・F・不二雄作品から3作品が1話ずつ無料公開していたらしく、その中にパーマンもありました。しかもパーマンでも屈指の名作ともいっていい「パーマンはつらいよ」という回で驚きました。パーマンはアニメだけでなく漫画も買ってもらい何度も読みましたが、この回はよく覚えています。

あらすじとしては、夜遅くまで人の為に働きパーマンとしては称賛されるのですが、ろくに寝ていないので授業中に居眠りをして先生には怒られ、クラスメイトには笑われ、みつおとしては周りからダメな奴と見られてしまいます。本当は自分がパーマンなのに正体を明かせない事もあり言い訳も出来ず、そうした割の合わなさからみつおはパーマンを辞めると言い出し、部屋(押し入れだった気もする)に閉じこもり他の3人やバードマンが説得を試みても全く応じません。
しかしその日に大きな災害が発生します。確か大型船が座礁したとか嵐に巻き込まれたとかだった気がしますがそこの記憶が定かでないので間違っていたらごめんなさい。よく覚えてるんじゃなかったのかよ。無料期間に読めばよかった・・・。
もうパーマンじゃないから自分には関係ないと布団の中に潜るも脳裏に浮かぶのは災害に巻き込まれ苦しみ、助けを求める人々。そしてみつおはもう一度パーマンとして現場に駆け付けるといった内容で、人の為に何かする事の行動原理とは何か、誰かが困っているのを見て見ぬふりは出来ない事を伝えたいのだと思います。

前にもどこかの記事で書きましたが、私はいい歳して自分の事を何よりも優先して生きてきました。1人の時間が大事だから人間関係が希薄でも構わないし、世間が何かでざわついていても自分に実害はないと自分の平穏を第一にやりたい事をやって来ました。
こんなことをしていれば自分がピンチになった時に誰も助けてはくれないという自覚だけはあるのですが、それを改善しようという考えまで持ち合わせておらず、自分でもどうしようもない人間だなと思います。俯瞰的に見ておきながら自分の事すら他人事のように思えてしまうどうしようもなさです。

「パーマンはつらいよ」という他人の為に行動する事を説いた話を今一度思い出し、本当の詰みが来る前に自分で良い方向に舵を切らなければいけません。もう1月も半分過ぎましたが、今年はそれを念頭に置いて生きてみます。今更大人になんかならないよなんて言えません。もう既に歳だけはいい大人ですから。

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