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あたしンち28話について語る

最近あたしンちがYoutubeで配信されているので見られる時にちょくちょく見ています。この26話というのがいまだに妹と話題になるくらい強い印象が残っています。しじみカレーって絶対死ぬほど食べにくいと思う。ちなみにこの回の演出、絵コンテはあのヤマカンです。この数年後にハルヒやかんなぎなどを見る運命はここで決まっていたのかもしれません。ないか。


そこで今回は26話ではなく28話の話をします。まず上のツイートにも載っている通りサブタイは「真夏の夜の・・・っ」
その後に何が来るかって?まあ「夢」でしょうね。それ以外に何かありますか?

話としては7分くらいなので私が説明するより本編を見た方が早いですが簡単に説明しますと、みかんとユズヒコは夜の暑さで寝られず、お母さんに自室にもクーラーを付ける事を訴えます。しかしお母さんはクーラーではなく扇風機1台を買ってくるのですが、ちょっとした工夫で2人の部屋を涼しくすることに成功・・・したところで橘家が住む街一体が突然停電してしまいます。これでは当然クーラーもつかないので涼しい場所へ避難しようと橘家は隣町のファミレスに向かうのですが、私はここからの話がしたいのです。

ここまで話しておいてあれですが、ここからは28話のネタバレしか含みませんので了承の上下記をご覧ください。


電気が一切ついていない街を歩く4人。私はここで勝手に東京事変の「電気のない都市」が頭の中で流れました。勝手すぎる。

非現実的な街の状況に驚きつつもどこかわくわくとした気持ちも隠しきれません。空を見上げると月明りが眩しい事や、地面に映った自分の影の濃さに驚きます。夜になっても電気があるから外も明るいのが当たり前になっていて、普段では気にもしない月の明るさに意識がいきます。


このシーンを見て、私は大学生の頃に学童保育でアルバイトをしたことがあるのですが、そこで働いていた女性職員から「最近の子は雲の形にも興味を示さない」と言っていた事を思い出しました。テレビやゲーム、インターネットなどの娯楽にあふれ、親世代と比べると今の子は外で遊ぶことも少なくなったでしょう。(今は事情が事情なので外で遊びにくいですがそれは置いといて)
わざわざ外に出なくてもそれこそネットで雲くらい調べれば見られるといったように、テレビやネットで見た事あるから知っているといって、実際に経験しようとはしないみたいです。知識だけはあってもそれを経験しようとはしないという事でしょうか。

私も子どもの頃からネットに触れているような人間なのでその時は自分も最近の子のつもりで(まだ20歳とかだったし・・・)その話を聞いていましたが、雲の形だけではなく、空の青さ、土の感触、川の水の冷たさなど実際に見たり触ったりしなければ分からない事も多いので、それらを経験しないのは寂しいかなと思いました。普段からそうなら夜に出歩いて月や星などを気に掛けることもないでしょう。あたしンちでのこのシーンはそうした現代の生活で見落としてしまっている事に気づかせてくれると思います。

その後お母さんは九州の田舎の事を思い出します。昔はクーラーが無くても風鈴の音や打ち水で涼しさを感じられた、自然の風が一番気持ちよかったと懐古します。夏というのは人をノスタルジックな気持ちにさせますね。私もそういう叙情的な気持ちは好きなので、見るからに昭和な田舎暮らしの経験はありませんが共感を覚えました。
そして蛍を竹ぼうきで捕まえたという話もします。蛍なんて自然豊かで水がきれいな場所でしか見られませんから、橘家が住んでいるような街では到底見られないでしょう。そうした意味でも昔は今よりも便利な時代ではなかったけれど、良い事もあったという1つの美しい思い出としての印象が強いと思います。
私も蛍を生で見た事はありません。それこそあたしンちのこの回みたいにアニメでしか見た事ありませんね。エロマンガ先生とか。最近どう森でも見ました。

昔に戻りたいねえと呟くお母さん。このまま昔はよかったと懐古で終わるのかと思いきや、最後は涼しいファミレスでパフェを食べながら「クーラーが無いと生きていけないよ」とさっきと真逆の事を言うオチで終わります。

この回はクーラーを巡っての攻防が終始繰り広げられるのかと思いきや、後半からは違う展開となり、たった7分とは思えない内容となっています。単に「昔は良かった。それに比べて今は・・・」と常套句のように言って懐古で終わらなかったのも良かったと思います。昔には昔の生き方があり、今には今の生き方があります。今は情報も物も溢れ便利な時代で、テレビやネットで疑似体験することもできますが、その分当たり前にあるものを見落としているのかもしれません。それこそあたしンちのように夜に月を見るだけの事でも何か発見があるかもしれません。

以上あたしンちの話でした。たまには萌えアニメ以外の話もいいでしょう。

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