ファッションウィークにおける推し活

アジアのアイドルがハイブランドのアンバサダーに起用されたり、ファッションウィークにセレブリティとして招待されるようになったのは割と最近の話。

それと同時に、アイドルのブランディングも世界的に変化していっています。
チャイルディッシュな見せ方から、よりホンモノ志向へ。
一方で、ファンコンテンツでは旧来のかわいさを忘れずにファンの心を強くつかんで離さないことも大切。
ハイブリッドなアイドル像が求められています🕺

そんな中、推し活視点で最も大切なのは“アイドルを取り巻くコンテンツと推し、そして自分(≒ファンダム)の存在がwin-win-winになること”
これに尽きると(私は)思っています。
そこでこのnoteでは、どういった状態がwin-win-winなのか?についてマーケター視点で考察していきます🧐


ブランド側視点

アンバサダーやセレブリティがブランド側に求められているのは「知名度」と「ブランドとの親和性」、「拡散力」、そして「購買喚起力」。
ブランドが第三者の力を借りて注目を集め、ブランドの哲学やattitudeを体現し語ってもらうことで興味喚起し、安定的な売上に繋げ、ブランドのファンを囲い込む。
特別なことではなく、どんなブランドにも必要な購買心理の構造的な考え方です。

その中でもアイドルは特に「拡散力」を期待されていて、だからこそ昨今のSNS全盛期には重宝されている印象です。
特にファッションウィークに関して言うと、その露出は全てパブリシティと呼ばれる類のもの。
誰を起用したことでどの媒体にどれくらいの大きさ&量で取り上げられたか、というのが大きな評価指標になります。

“推し活”としてファンにできることは、まず何よりもSNSでの反応と拡散。
反響が大きければ大きいほど更に多くの媒体に取り上げられ、ブランドにとってメリットが生まれるから。
これは定量評価でもあって、他の人や時期と比較することで個人の影響力を(ある程度)測ることができます。
あとこちら。

ブランドにとってXのトレンド入りというのは、○位やったー!みたいなトロフィー的な意味合いではなくて、それだけ多くの人目に触れる=パブリシティ的露出が増えることを意味します。
これも定量評価。

中期的な“推し活”としては推しが着用したアイテムを購入したり、その際に推しがきっかけでブランドに興味を持った・購入を決めたことをブランド側に伝えたり。
(口頭でもメールやアンケートでもOK)
この声は定性評価にあたり、反響の“質”を知る上で大切な指標になります。

そしてここで言う“質”とは、オタク視点では「購買力のあるファンアピール」と思われがちだけど、実は違います。
ブランド視点で言う“質”とは「ブランドのターゲットとなり得るコンシューマーかどうか」ということ。

「起用してくれてありがとうございました!」「○○くんがイケメンでした!」みたいなアイドル主体の反響は、本来のブランド側のゴールからはズレているということ、頭の片隅にでも置いておいていただけると嬉しいです(誰)

その他にファンができることとしては各種SNSをフォローしたり、メンバーシップに登録するのも🙆‍♀️
ブランドと直接繋がる人が増えるのは、ブランドにとって大切な財産だから🍀
そんなところです🤔

ファッション媒体側視点

ファッションウィークはファッション媒体にとっては一大行事。
それぞれのブランドがどんなコンセプト・プレゼンテーションを打ち出すか?どんなファッションアイテムを提案するか?どんなトレンドが生まれるか?
価格帯や世代に関わらず、トレンドを捉えたファッションを語る上では無くてはならないイベントです。

ただし、媒体側のゴールは“拡散”にあらず。
Xで推し活をしている層は公式へのいいね・RPが必要なことは理解していても、意外と記事を読んでいなかったりするのでは🙄
実は、それでは媒体側の本質的なゴールには届いていません。

媒体の収入源は本紙の売上、有料会員の会費、それ以外のほとんどは広告費です。
記事コンテンツによるマネタイズ、それが媒体のゴール。
マネタイズの指標となるもの、即ち媒体側のKPI (=Key Performance Indicator)となりうるものは「販売部数」「購読者数」「PV (=page view)」「ページ滞在時間」など。
そういった数字を武器に更なるマネタイズへと繋げていくビジネスモデル。

あと忘れてはいけないのは、ファッション業界へのリスペクト。
アイドル見たさに巻き起こる一過性の盛り上がりは、業界から冷ややかな目で見られてしまうことも。

平たく言うと、拡散だけでなく記事を読み、無断転載をせず、業界に興味を持ち、繋がることが喜ばれます。

完璧な答え合わせができている記事を紹介💁‍♀️
ファッションウィークに呼ばれるだけでなく、ファッションウィークという場をチャンスと捉え、自身のブランディングを確立したアイドル・Snow Manのラウールくん。
そんな彼を応援するファンにとって、全くの手探り状態の中でマナーを守り、大きな成果を推し本人に届けることができました🎁
そんな誇れる事例でもあります🏆


著作権・肖像権視点

最後に、ファッションウィークはお祭りだからアイドルの撮影も無断転載もいくらでもOKというのは間違った認識と(私は)考えています。
写真を例に挙げると、そこには2つの大きな権利が存在しています。

  1. 著作権…これはプロアマ問わず、撮影者または撮影者が契約する企業に帰属します

  2. 肖像権…被写体側にあり、特に著名人にはパブリシティ権が認められます

オフィシャルの場に現れたセレブリティの写真を撮影する行為についてはこのどちらの権利もクリアしていると考えられるため、私は①オフィシャルの場且つ②撮影者本人が発信した写真とわかるもの「のみ」拡散することにしています😌

推し活視点で最も大切なのは“アイドルを取り巻くコンテンツと推し、そして自分(≒ファンダム)の存在がwin-win-winになること”
繰り返しになりますが、これに尽きる!!!

win-win-winになるためにはリスペクトが必要。
それぞれの推しにとって、ファンの存在がなくてはならない最高・最良の後押しとなりますように🍀

以上です!