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バイ・スパイラル 感想 ~コメティックへと続く導線~

こんにちは。
バイ・スパイラルを読みました。
話としてはとてもシンプルだった、という見方をされている人がいます。その通りだと思います。今回の物語をあえて乱暴にまとめるとすれば、「盛大になにも始まらなかった」の一言に尽きます。

しかしながら、今後に向けて押さえておきたいポイントはたくさんあったように思いますので、自分なりに整理するため今回筆をとりました。
全体の流れに関する考察よりも各アイドルの動きについての切り分けと、今後の展望が中心となりますので、興味のある方だけどうぞお付き合いください。

・樹里
この5年間の歩みとSTEPまで経た全てが血肉になった樹里ちゃん。
その全てをもってルカを283に迎え入れようと奔走します。
役割的にはシャニPが担いそうな部分を全部樹里が担当してましたね。
サポートの対まみみムーブとかまんまシャニPでした。


・甘奈

ルカへの対応、あさひへの対応など、甘奈にとっては終始相性の悪い展開が続きました。
しかし、樹里に追従する形ではあったものの、甘奈なりに前向きにステージまでの日々を過ごしていきます。もう一歩、という感じですね。


・あさひ

今回あさひの手綱を握る人がいなかったわけですがステージへの関心が最後まで途切れなかったこともあり、制御しきれない事態にはなりませんでした。
技術的視点からの純粋なルカヘの興味をはじめ、外来種に対する率直な気持ちなど、比較的283プロの中でも正統派なメンバーがそろった中で、あさひにしかできない切り口からの動きが光りました。
気になったのは「あさひのダンス技術はルカに及ばないのか」という点。
最初は他のメンバーと合わせている関係上あさひも動きが制限されてるからルカの目に留まらないのかと思いましたが、あさひ単独でもルカの領域には届いていないと感じているようで、サポコミュで「ルカちゃんと同じようにならない」と述べています。考えられるのは技術以外の部分、つまるところ気持ちの部分で、あさひが元来抱えている課題とはある程度リンクしそうなのですが、ルカの方を考えたときにどうにもピンときません。
他に考えられる可能性としては、楽曲自体がルカにとって何か特別な意味をもっている、でしょうか。ただそうなると樹里たちがその楽曲をステージで披露することに激しい嫌悪を抱きそうなので、そうならなかった時点で違うような気もします。ここは今後の伏線になるかもしれませんね。


・摩美々

摩美々のちゃんと悪い子の部分が活きました。「この魚の気持ちはこの魚にしかわからない」ので、ルカの気持ちはルカにしかわかりません。今回の283メンバーでは慮ることはできても理解は難しい。理解の段階までたどり着けたのはある部分ではルカと同じ性質を持っていた摩美々だけだったということになるのでしょう。
加えて言えば「見て見ぬふりをすくって」以降みられる視野の広さが今回も発揮されましたね。あとはしきりにルカに飲み物をすすめていたところが一つのポイントでしょうか。ルカの渇きをなんとなく見抜いていたのかもしれません。

・甜花
Aちゃんとの約束よりお仕事を優先できた点で、甜花のアイドルとしての成長を感じます。ただし、「アイドルとして正しい選択をしたことでAちゃんを救うことができなかった」という結果になってしまいました。
このあたりはシャニマスはこのテーマを貫いていくからね、という主張をわかりやすく通すためには仕方なかった部分ですね。
オープニングでルカに拒絶されて少し影が差していた甘奈の様子にも気づけなかった(これがアルストのイベントなら気づけていたはず)など、本来の甜花の良さはあまり見られませんでした。


・真乃

今回の真乃、みなさんの印象はいかがでしたでしょうか。
樹里や摩美々への賛辞が多くみられる中で、真乃に対する言及は少なかったように思います。
そうですよね。今回真乃が特別何かをした、というようには見受けられません。

私は真乃になにもさせなかったのがライターの大きなこだわりだったのではないかと推察します。
真乃は今回の越境組において唯一STEPコミュもMVも実装されていません。
(甜花はMV未実装ですが、その分今回は部隊装置的な役割が強くなりました)
他の面々が持ち味を発揮する中で真乃を無理に動かさなかった。
表現したいもののために283プロのセンターアイドルになんの役割も持たせないこともある、というが最高にシャイニーカラーズですね。
じゃあ他のイルミネから出番を与えていれば、とも考えましたが、灯織いうまでもなく別で出番があります。めぐるはうまいこと機能しそうですが、役割の大半が樹里と被ってしまいます。だからあえての真乃選出なのでしょう。


・ルカ
正直なところ、今回のシナリオでルカ自身の進展はみられないだろうと思っていました。
希望を得たところで奪われるだけだから得ようとしない基本スタンスは変わらず、しかし揺さぶられるシーンが時折あり。
283ではなくルカだから救えるものもあるんだよ、だからルカの在り方は曲げずに進めていくよ、という所信表明は受け取れました。
コメティック結成後もしばらくは同じような状態が続くかもしれません。
そんななかで灯織やシーズとの絡みをどう消化していくのか、なかなか難しくなったような気がしますがシャニマスがそういう覚悟なのであればそれを信じてついていきましょう。

・コメティックへと続く導線
アンチテーゼ、ヲタクの好きな言葉です。
バイ・スパイラルを過去のコミュとの対比、とりわけベリソのアンチテーゼとして捉えるのもいいのですが、この2つのコミュによるアウフヘーベンを考えるにはちょっとまだ性急なように感じているので、もう少しシンプルに、コメティックの導線としての意味合いを考えてみます。

少し前のことですが、だぶるはについて、はるきはルカへの憧れをもっていて、鈴木は持っていないのではないかという仮説を立ててみました。シャニソンのイラストを見ている中でなんとなく思いついたことなので、確たるものがあるわけではないのですが、この切り口からバイ・スパイラルを考えてみるとさらに妄想が膨らんできました。
「ライトアンドダークネス」にでてきた光の魔法使いと闇の魔法使い。
光の魔法使いに導かれたのが鈴木、闇の魔法使いに救われたのがはるきと考えてみるとどうでしょう。

鈴木が絶対純白領域として、闇を知らない光として生きてきたのだとしたら。
はるきがAのように、ルカによって救われていたのだとしたら。そんな二人をルカと合わせてユニットにしたのだとしたら。

ちょっとだけ見えてきたような気がします。
ルカがもう一度輝きだすための道筋が。

全然見当違いだったら忘れてください。
意外と当たってたらもう一度この記事を思い出してみてください。

ともかく今回筆をとって伝えたかったのは、こんな妄想が当たるかどうかではなく、コミュを読んで自分なりに考えてみるのは楽しいぞ、ということです。そしてできればその考えを発信してみてください。見当違いじゃないか、他の人の考察のほうが、とか考える必要はありません。少なくとも私はコミュのことで盛り上がっているTLをみるだけで嬉しくなります。

それでは、またいつか。

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