チャンク

chunkではありません、chankです。50代独身男です。老若男女国籍問わず、いろん…

チャンク

chunkではありません、chankです。50代独身男です。老若男女国籍問わず、いろんな人たちから愛されて甘やかされて育ててもらいました。ゆるく自由に生きてます。特に強く主張したいことがある訳ではありませんが、書きたくなったら何気に書きます。洋楽和訳が多いかも。

最近の記事

これはキンナタ星人が書いたシナリオなのか?第6話 猛吹雪の砂漠の平原

「さて・・・・。これからお前に大自然の中で苦痛の全くない緩やかな死を用意してやろう。動物園で俺を楽しませて、俺に気持ちよく生きるヒントを与えてくれたせめてのものお礼だ。俺はロマンチストなんだ」と名無しが言った瞬間、建物ひとつない真夜中の砂漠の平原に僕はたった一人立っていた。 真っ暗な空からチラチラと雪が降っていた。 しばらく時間をおくと、瞬く間に猛吹雪になった。 ゴロゴロと雷が鳴った。 あっという間に、雪が足首までつもり、膝までつもり、腰までつもり、やがて胸のあたりまで

    • これはキンタナ星人が書いたシナリオなのか?第5話 フマキロンとピストル

      父親からの電話を受けて、すぐさまヤマダに電話した。「お母さんが死にそうなんだ。名古屋に今すぐ連れてってよ!」と。 その瞬間リンカーンに乗ったヤマダが僕の目の前に現れた。「アイムレディ!さあ早く乗って!」とヤマダは叫んだ。 僕は黒塗りの73年製リンカーンコンチネンタルに急いで乗り込んだ。 キンタナ星人たちは拍手喝采した。 リンカーンに乗り込んでから10分ほど経過したところ、隣に突然ピストルとスプレーが現れた。ピストルは僕の方に向けられ、スプレーはヤマダの方に向けられてい

      • これはキンタナ星人が書いたシナリオなのか?第4話 みかんの缶詰と三ツ矢サイダー

        キンタナ星で貴族のような生活をし始めてだいたい3年経った真夏のある日、名古屋にいる父親から電話があった。 「お母さんが危ないんだ。今日明日がヤマらしい」と父親は言った。 母親は、その7ヶ月前に乳がんだと診断された。ステージ4の末期がんだとわかった。余命3ヶ月と医師から伝えられた。 その冬の時期から、僕は毎週日曜日にヤマダにリンカーンで名古屋に連れてってもらって母親のお見舞いに行っていた。母親の大好物のみかんの缶詰と三ツ矢サイダーを持って。 「チャンク、工場はまだ寒いよ

        • これはキンタナ星人が書いたシナリオなのか?第3話 飲み友達と愛しのセイコ

          キンタナ星で、僕は毎晩のように、夢のようなメンツとギグをした。ジャコ・パストリアスとも演った。ビリー・ホリデイのバックも演った。彼女を誘ってみたが断られたので、そちらの方のバックは残念ながらできなかった。本物がまだ地球にいるビル・フリゼールと、モーリス・ラヴェルとデュアン・オールマンのレッスンを受けることができた。理論はもちろんモンクに習った。ジミ・ヘンドリックスにアーミングのコツや上手なエフェクターの使い方を習うことができたし、悪魔に魂を売ったロバート・ジョンソンに、悪

        これはキンナタ星人が書いたシナリオなのか?第6話 猛吹雪の砂漠の平原

        • これはキンタナ星人が書いたシナリオなのか?第5話 フマキロンとピストル

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        • これはキンタナ星人が書いたシナリオなのか?第3話 飲み友達と愛しのセイコ

          これはキンタナ星人が書いたシナリオなのか?第2話 セロニアス・モンクと鼻毛

          ドームの中には石造りの建物がたくさんあった。その雰囲気は、昔住んでいたニューオリンズのフレンチクォーターを思い出させ、懐かしさに浸る。八百屋では客が大きな声でキュウリを値切ろうとしていた。香辛料の匂いがかすかにした。 建物のうちの一つに案内されると、そこにはステージがあった。キャパは200人といったところか。ピアノの椅子に座って漫画を読んでいたセロニアス・モンクが僕らに気づき、僕を迎えてくれた。 「おおチャンクか。君のことはヤマダから聞いてるよ。なんでも俺のピアノみたいな

          これはキンタナ星人が書いたシナリオなのか?第2話 セロニアス・モンクと鼻毛

          これはキンタナ星人が書いたシナリオなのか?第一話 始まり

          はじめに 世界観はヴォネガットのパクリです。想像力に欠けるので、意識的にそうしました。無意識でしたが、フィリップ・K・ディックのアイディアをパクっていました。 しがないジャズギタリストの僕。 ジャズクラブにいくら売り込んでも全く相手にされないので、金山駅南口の広場が僕のステージだった。ジャズクラブではお客さんとしてジャムセッションデーの日にプレイしていた。工場の仕事が休みの時だけのウィークエンド・パートタイム・ストリート・ミュージシャン。 まぁ、僕の実力から言うとこんな

          これはキンタナ星人が書いたシナリオなのか?第一話 始まり