新譜感想#12 deep blue/sora tob sakana
sora tob sakana(オサカナ)が解散するまで1か月を切った。
先週出たラストアルバム「deep blue」が非常に良い。
ファンだけでなく、音楽が好きな人には聴いてもらいたい一枚である。
〇sora tob sakana
神﨑風花、寺口夏花、山崎愛の3人アイドルグループ。
プロデューサーにハイスイノナサ・shraphの照井順政を据えている。
ハイスイノナサは下のnoteで触れています。
2018年にメジャーデビュー。タイアップで、ハイスコアガール1,2のOP曲「New Stranger」、「flash」を歌ったのは記憶に新しい。
そのエレクトロニカ・ポストロックを基にした楽曲は、独自の世界を有している。
アイドルに興味なくとも、曲のメロディとサビのユニゾンの美しさで、知らぬ間に沼へずっぽりと引き込まれてしまう魅力がある。
自分がまさにそれだ。人によっては「楽曲派」アイドルと言っても良いのかもしれない。
※歌唱、ダンス、VJ、楽曲、少しでもズレたら終わりそうな繊細さ。
このnoteで何度も何度も繰り返し言っているが、世間がポストロックに触れる機会が出来たということだけで、凄いアイドルだ。
9/6のワンマンライブを持って、解散。
〇deep blue
8/5。sora tob sakanaが最後に出したアルバム「deep blue」。
内容は、新曲2曲と再レコーディング版9曲となっている。
再レコ曲は「これまでの過去曲や人気曲」であり、新アルバムながら、ベストアルバムとしての側面も見られる。
やはり注目は、新曲の2曲だ。
M1"信号"
以前の配信ライブで観た曲で、ダークな雰囲気に一発KO。今までの流れは、押さえつつ新たな領域に踏み出す一曲。
「脈を打って 呼び合う」の歌詞と合わさる心音のようなバスドラム。
3人の声がエレクトロニカなサウンドにビシッとハマる詩的な歌詞。
この難解さと黙々と繰り広げられる世界に飲み込まれてしまう感覚が心地いい。
M11"untie"
untieは"ほどく、解放する"。M10"ribbon"に対する"untie"。
歌詞でも、結成して解散するまでに触れるような歌詞が盛り込まれている。
偶然重なって 描かれた 星の様に
長い帯が解けて 遠い空 散らばっていく
ユニゾンを少な目にし、輪唱やMVの光がバラバラになっていく感じは、まさに"untie"とシンクロする。
後半、明るいストリングスの演奏とバラバラになった光がまとまり、共に輝いていく様は、今後の3人の将来が良いものであることを願うような楽曲だ。
「最後だからこそ、できる曲がある」気持ちが伝わる一曲である。
もちろん過去の再録も、過去作と聴き比べる楽しさがあり、メンバー、バンドの進化を感じられる。
アルバムの楽曲では、先に紹介したM5"広告の街"、M8"New Stranger"が大好きで、
「ギターが違う!」とか、
「打ち込みが全部バンドサウンドになってる」
と気づいて感動する。
さらに聴きこんでいくと
「やっぱこの曲もいい...」というのがループし、最後には、「全曲良い...本当に惜しい...」と感じてしまう楽曲たち。
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今まで行けなかった分、ライブ盤を満喫しています。色々な音がはっきりして、ライブ感がたまらない。
今書いている8/10はツアーのラスト、東京公演の直前。
配信ライブをしっかり見て、感動していきます。
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