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【日刊ドローン情報 No.143】センシンロボティクスとSAP、業務自動化統合プラットフォーム「SENSYN CORE」提供開始

 No.67で送電設備点検ソリューションの提供開始について紹介したセンシンロボティクスが,ERP(統合基幹業務システム)の最大手SAP社と設備保全業務を自動化するプラットフォームの提供を開始したそうです。
 プラント関係を扱う業種や製造業に携わっていない方は,いまいちイメージがつき辛いかもしれませんが,これらの業種では設備を定期的に点検したり,修理したり,あるいは取り替えたりと,膨大にある設備を維持していく必要があります。そのため,自社で保有している設備をシステムに登録し,そのメンテンナンス周期を設定することで,点検が必要な時期がくれば作業指示が自動的に出るようなシステムを使用しています。それがSAP社が提供するERPの機能の一部であるEAM(企業資産管理)システムと呼ばれるものです。
 現状は,この作業指示を受けて,人間が点検を実施し,記録した点検結果は,人間がエクセルに入力したり,システム入力したりと,点検の労力もさることながら,その準備や記録といった業務にも大変な労力がかかっています。
 今回提供が開始されたSENSYN COREというシステムは,あらかじめSAPの設備保全システムに登録された作業指示の情報や設備情報から,ドローンの飛行ルートを自動生成し,そのルートをもとにドローンが飛行・点検するというもの。また,そのドローンの空撮による点検画像から異常箇所があれば,コメントを付すことで,SENSYN COREからSAPの設備保全システムに連携され,点検の結果や異常の履歴などが設備の情報として自動的に保存されます。
 このシステムのメリットは,点検の開始から記録までをワンストップで行えることでしょう。企業によっては,この設備保全システムと点検結果を管理するシステムが別々になっており,情報の転記などさまざまなムダが発生しています。このように機器の点検や監視のデバイスを管理・制御するシステムと,設備保全システムが融合することで,これまで地味に時間のかかっていた準備や記録が大幅に削減されるでしょう。
 おそらくSAP社は,SENSYN COREのようなプラットフォームの種類を増やしていくことで,さまざまなプラントや設備に対応できるようにして,SAP社の設備保全システムの価値を高めようとしているのではないでしょうか。

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