1万円拾った話

ブログ始めて唐突だが1万円拾った。近所のスーパーで野菜売り場の床に落ちていた。

私は普通の主婦の女だ。1万円見た時の反応は人それぞれだが、私は魂ごと心奪われた。

このコロナ禍で皆マスクして高い野菜と睨めっこしてる中、ふわふわ漂う1万円に誰も気づかないのか。高い野菜より、ほら見てごらんここに1万円があるんだよ。いきなり目に飛び込んできたその1万円は千とも5千とも違うはっきりくっきりと1万円だった。

あと、なんとなくだけど今落ちたばっかり感があった。なんとなく。

1万円のすぐ横に、髪を束ねるゴムが落ちていた。私は迷わず1万円だけを拾い、サービスカウンターのおばさんに声を掛けに行った。

私「あのーすみません」
おば「はあ〜い」
私「野菜売り場に落ちてました」

おばさんは急に早口になって

おば「こ、これは拾ったお客様にけ、権利がね?あのね?」
私「は?は!…あー。」

聞けば、お店から警察に届ける際に私が拾ったよ〜と書面に書いておくと、持ち主が名乗り出なかった場合、拾った私の手元に入る、らしい。

うーん。ラッキー?


話は変わるが、私はいい人間ではない。それなりに真面目に生きてきた若い頃運悪く色々あって性格が捻じ曲がってしまった。独身時代は自分の事だけでいっぱいいっぱいで、他者には無関心だった。若い時ってみんなそうなのかな、そうだよな、とも思う。思うようになった今だから、落ちてた1万円が醸し出す「今落ちたばっかり感」もなんとなく感じたんだろう。


私「時間ないんで(あるけど)お店から警察に届けてください。」
おば「え、え、権利、権利が」
私「はいはい、はーい」


持ち主の手元に戻ればいい。そしたら今度は大事に生活の為に役立ててほしい。若い時苦労しといて良かった、なんて1ミリも思わないけど、その苦労が私をこうさせたと思う。その後ついでにゴムもサービスカウンターに届けたが、「権利」なんて話は一切なかった。ショートカットだからいいけど。



2秒で後悔したけど。

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