雨宮さらさというおもしれー人間

割れたガラスのような人だなと思う。それが人に割られたのか、自分で割ったのかはわからないが、割れたガラスの、破片のような人だと思う。

私はさらささんのことを「おもしれー人間」だと思う。これは決して雨宮さらささんと何かがあった人を肯定や否定する文章ではないし、雨宮さらささんを全肯定する文章でもない。そもそも私は他人のことを全肯定できる人間ではない。そこだけは知っておいてほしい。誰かが誰かのことを「おもしれー」と思うことは自由なはずなので、私は今文章を書いている。

私はさらささんの書く文章が好きだ。暗くてキャッチーな音楽以上に、文章が好きだ。上手さとか言い回しではなく、文章が好きだ。いつも自分を下に下に見ようとして、それなのに自分を信じている(信じたい)という気持ちが伝わる文章が好き。一見するとめちゃくちゃ澱んでいるのに、私の感想を言葉にすると「澄んでいる」になってしまう文章が好き。「死に近くなるほど文章が澄みわたって、最終的にその人は消えてしまう」という話を聞いたことがある。追い詰められたときのさらささんの文章を読むとそんなことを思い出す。

「全肯定はできない」と最初に書いたように、正直「それは違うんじゃないか」と思うこともある。見ていてつらくなってしまうことも、正直ある。あまり多くは言えないが、でもそれも含めて雨宮さらさという人間なんだと思うと、やっぱりおもしれー人間だなと思う。

さらささんが「賞がない」と嘆いていたとき、私は絶望を感じていた。さらささんに賞がないことに対してもそうだが、「この人に賞がないなら私にもあるわけがない」と思ってしまったからだ。それくらい私はこの人に魅力を感じていて、それが評価されるべきだと思っていた。そう思うのは、さらささんがミスiD2022に出ていて、たしかに存在していたからだ。

キラキラしたものが好きだ。それ自体が発光するものではなく、太陽の光を受けてキラキラと光るものが好きだ。泥のようなミスiDも、いびつだから光る指輪も、触れれば血が出てしまうガラスの破片も。

いつまでも光を跳ね返してほしいなと思う。その尖った身体が誰かを傷つけてしまうのであれば、そのときはあなたの言葉で対話をしてほしい。「してほしい」というのは個人の意見なので聞かなくてもいいが、わかり合える術をあなたは持っていると思う。たくさんの気持ちをここで伝えてくれてありがとう、一緒に戦えて嬉しかったです。

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