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じゃがの大冒険 1

第1章:じゃがの誕生と目覚め

ハムハム公国の片隅にある小さな巣穴で、じゃがは生まれました。ふわふわの金色の毛並みと丸くて愛らしい黒い目を持つ、可愛らしいハムスターでした。母親のモンちゃんは、生まれたばかりのじゃがを優しく舐めながら、背中に6つの小さな斑点があることに気づきました。

「まあ、なんて珍しい模様なの」モンちゃんは驚きながらも、愛おしそうに赤ちゃんじゃがを見つめました。

生後数日が経ち、ある朝のこと。巣の中でぬくぬくと眠っていた兄弟たちの中で、じゃがだけが目を覚ましました。小さな鼻をぴくぴくさせ、巣の外から聞こえる不思議な音に耳を傾けます。

「あれ?なんだろう?」

好奇心に駆られたじゃがは、よちよちと巣の入り口に向かって歩き始めました。

「じゃが!どこに行くの?」母親のモンちゃんが慌てて駆け寄ります。

「お母さん、外に何かいるの!見てみたいな」

モンちゃんは息子の背中を優しく撫でながら、こう言いました。「まあ、あなたときたら。でも、まだ外は危険よ。もう少し大きくなってからね」

そう言いながら、モンちゃんはじゃがの背中にある6つの小さな斑点を指で数えました。「1、2、3...6。私の大切な好奇心いっぱいの6つ星さん」

数週間が経ち、じゃがの目と耳が完全に開きました。巣の中を探検するのが日課となり、兄弟たちと追いかけっこをして遊ぶようになりました。

ある日、巣に見知らぬハムスターが訪ねてきました。他の兄弟たちが恥ずかしがって隠れる中、じゃがは真っ先に挨拶に行きました。

「こんにちは!僕の名前はじゃがです。あなたのお名前は?」

驚いた表情の来訪者は、にっこりと笑って答えました。「やあ、元気なじゃがくん。僕はくるみっていうんだ。よろしくね」

その後も、じゃがは巣に来る様々なハムスターたちと楽しそうにおしゃべりを始めました。モンちゃんは、そんなじゃがの姿を見て頭を悩ませつつも、その好奇心旺盛で社交的な性格を愛おしく思っていました。

「じゃが、あまり遠くに行っちゃダメよ」モンちゃんはよく言っていました。「外の世界は危険がいっぱいなの」

しかし、じゃがの冒険心は日に日に大きくなっていきました。巣の外の世界が気になって仕方がありません。時々、巣の入り口から外を覗いては、広い世界に思いを馳せるのでした。

ある日、じゃがが生後2ヶ月を迎えた頃、ハムハム公国では「独立の儀式」と呼ばれる重要な行事が行われました。これは若いハムスターたちが親元を離れ、自分の巣を作る準備が整ったことを祝う儀式です。じゃがも、他の兄弟たちと一緒にこの儀式に参加しました。

儀式の日、ハムハム公国中のハムスターたちが大きな広場に集まりました。じゃがは興奮で体が震えていました。儀式が始まると、年長のハムスターたちが若いハムスターたち一人一人に、ひまわりの種を一粒ずつ贈りました。

「この種は、君たちの新しい人生の始まりを表しているんじゃ」長老のけい爺が説明しました。「これを大切に育てるのと同じように、自分自身も育てていくんじゃよ」

じゃがは、贈られたひまわりの種を大切そうに両手で包み込みました。その瞬間、彼の心に大きな決意が芽生えたのです。「僕、絶対に素敵なハムスターになるんだ!」

儀式が終わると、じゃがは早速自分の巣作りに取り掛かりました。ハムハム公国の中でも、少し離れた場所にある小さな丘の麓を選んだのです。そこは、朝日が気持ちよく当たり、近くには小川も流れている素敵な場所でした。

数日かけて、じゃがは丘の斜面に小さな穴を掘り、柔らかい草や枯れ葉を集めて巣の中を快適に整えました。そして、儀式でもらったひまわりの種を、巣の入り口のすぐそばに丁寧に植えたのです。

「大きくなあれ」じゃがは毎日種に話しかけ、水をやり、世話をしました。

日々は平和に過ぎていきました。じゃがの日課は、朝早く起きて食べ物を集め、巣の周りを整理し、ひまわりの世話をすることでした。そして午後になると、近所に住む友達のぽんたやもちこと遊ぶのが楽しみでした。

しかし、じゃがの心の中には常に、もっと広い世界への憧れがありました。夜、星空を見上げながら、じゃがは思いを馳せるのです。「あの星々の向こうには、どんな世界があるんだろう。いつか、僕も旅に出てみたいな」

そんなじゃがの様子を見て、モンちゃんは複雑な思いを抱いていました。息子の成長を誇りに思う一方で、大きな冒険に出ていってしまうのではないかという不安もありました。

「じゃが、あなたはとても特別な子よ」ある日、モンちゃんはじゃがに言いました。「その背中の6つの斑点は、きっと何か意味があるの。でも、急いで答えを探す必要はないわ。時が来れば、自然とその意味が分かるはずよ」

じゃがは母の言葉を胸に刻みました。まだ分からないことだらけですが、いつか自分の運命を見つけ出せる気がしたのです。

そして、その日はすぐにやってくるのでした。

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