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久々に思い出した話

毎年毎年冬になると、
カメムシが大量に出たから大雪になるだとか
記録的な寒波で大雪になるだとか
都会に数センチ雪が積もって電車が運休になっただとか、
ニュースも老人もやかましい。

年明け前に、予報通り記録的な大雪が降って
1〜2時間もしないうちに体の半分くらいの高さまでの
雪が積もっていた。

ちょうどその日は原因もなく気持ちが沈んでいて
なんでも良いから早く楽になれないかなあとか考えながら
窓の外を見ていた。

車がスタックしており男が数人で押している。
大きな牡丹雪が降っている。
老人が雪に埋まりながら自転車を手で押している。

そういえば5歳ごろからよく家から抜け出していた。
見つけてほしかったのか耐えきれなかったのかは覚えてないが
この頃から日々が辛いなとは思っていた。

大雪の日に家を抜け出した。
さすがにおとなの腰あたりまで積もっていれば
見つけられないだろうと思ったのは覚えている。

隣の空き地はまっさらで誰かが踏んだ足跡もなくてすこし気分がよかった。
体の形が雪にきれいにつくように思い切り後ろに倒れてそのまま埋まるのを待った。

上から降ってくる雪は虫みたいで気持ちが悪かった。

何分経ったか何時間経ったか分からないけれど気付いたら家に居た。
覚悟はしていたが両親から叱られなかったので、
夢か妄想だったのか分からなかったけどそこまで気にしていなかった。

20を越えたあと母親との会話のなかで
「あんた小さい頃よく家居なくなってたし雪に埋もれてたときもあって大変だったよほんと」と言われて
ああ本当だったんだなあとなんとも言えない気持ちになった。

雪に埋まってたころの視覚の情報とか
母親との会話とかを窓の外の雪を見たのをトリガーにぶわっと思い出して
ボロ泣きしながら埋まらなきゃって外歩いてたら
とち狂った時に登録したオンラインカジノの会社から
入金やら本人確認の登録やらをしろって内容の着信がきて
それがツボに入ってケタケタ笑ってたら疲れたので
きちんと布団で寝た。

4〜5歳から希死念慮があったんだと思ったら
ちょっと楽になった。
という話。

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