ピチュール星人に出会う

数日前、車を運転している時に、頭の中にフワフワとイメージが湧いた。

宇宙の映像だ。銀河や星々が見える。

そして、いつものごとく、天の川銀河以外の、他の銀河を訪問したいと思った。私はこのように空想する事がしばしばある。子供の頃から。

先述のブルースモーエンの死後探索シリーズの話のとおり、肉体を持たない存在とコンタクトすることに非常に興味がある。常にという訳ではないのだが、完全に途絶えることはない。仮にどんなに現実的に計算した生き方を目指しても、それはやってくると思う。それほど探究しようと積極的にならない時には空想として遊ぶことが多い。

しかも、私の場合は死後の人々よりも、人間以外に興味がある。もちろん、死後に特定の領域にいる人達や、その人達を助けようとするヘルパーとコンタクトできれば嬉しいのだが、今のところ、自覚している限りではその様な経験はない。

そのため、今回も車を運転しながら思い描いたのは他の銀河への訪問だ。身近な太陽系や天の川銀河よりも、遠くにある銀河に憧れる。遠くにあればソンブレロ銀河でも大マゼラン星雲でも、ケンタウルスでも、何でも良い気がするのだが、とりあえずは有名なアンドロメダ銀河を訪問したくなる。

車を運転しながらそんな事ができるのかと思われるかもしれないが、ブルースモーエンも可能だと言っている。それは普通に考え事をしながら運転をするイメージと同じことなのだ。また、彼は町の中のカフェテラスでビールを飲みながら目を閉じて、オクラホマのビル爆破事件の現場で死者たちのレトリーバル(救出活動)をヘルパーと一緒に行っていた。

さて、私は車を運転しながら気分の良い瞑想状態のような感覚になった。そういう事は時々ある。他の人達にも似たような体験があると思う。気分よく近い将来について考え事をしているような感覚だ。だから運転には支障がない。そして、他の銀河を目指すのだが、近場の宇宙に出現するのは比較的に簡単なのだが、遥か彼方の銀河へ行く時は行く手を阻まれる時がある。今回も進路を邪魔する現象が起きた。巨大な壁だ。こういう事はたびたびある。すぐに目的地へ到達できる時もあれば、何かを乗り越えなければならない時もある。

今回は宇宙空間の行く手に広がる巨大な妖怪ぬり壁みたいな壁だ。さっそく私はドラゴンボールの力を借りた。スーパーサイヤ人4に変身して、必殺技のかめはめ波を放った。『か・め・は・め・・・・波ーーーーー!』
見事に巨大な壁に大穴が空いた。時間が経過すると閉じてしまう予感がしたので、すぐに壁を突破して無事にアンドロメダ銀河へ到着した。

すると目の前には大きな惑星が見える。ピンクと白の縞模様の惑星だ。訪問したのはその星だったのか、近くの別の星だったのかは今となっては覚えていない。そして、星の中へ潜入する。大気圏を突破し雲を抜けた。陸地に降り立つ。今回は宇宙船などには乗らずに自身で飛んできたイメージだ。辺りは少し薄暗いが気分は悪くない。地面は茶色で山の近くの広い谷のようなイメージがある。アメリカのグランドキャニオンに近いかもしれない。

すると、目の前にイソギンチャクのような形で、肌はプルプルした生命体が出現した。色はビビット系のピンク色に近く、身体はゴムっぽい。まるでタコが二本足で歩いているような感じでもある。腕は二本。頭は手足と同じようにタコのようなプルプルした軟体系の形だ。他の言い方をすると、ゼリーのスライムが二足歩行で歩いている姿のようでもある。

目は点のように2つあり、口も横線のように顔と思われる中にある。そして、私が見たときはキョロキョロしていた。「ピチュ、ピモ?」みたいな発音で声が発せられた。辺りをキョロキョロしていた。私のことは見えていない。どうやら彼らは非物質ではないようだ。食事は地面から摂取できる緑色の草みたいな物質を食べたりしているようだ。その草は蛍光色のごとく発光しているように感じられた。

文明も築いているようだ。丸みを帯びた高層ビルのような建物も遠くに見えた。そんな体でどうやって築いたのか不思議だ。重力は地球より軽く、近くの恒星からは彼らの栄養源となる光が発せられていた。もしかしたら、海の中で魚が特定の図形を砂で描くことがあるように、彼らも独特な方法で建造物を建設できるのかもしれない。土の成分とかも地球とは随分違うのだろう。

そして私が一番彼らから感じたのは、純粋な無邪気さ。見た目のかわいらしさから感じ取れるとおり、彼らのとても無邪気な感覚が伝わってきた。彼らはとても幸せのようだ。周りに植物や動物の気配は感じられず、もしかしたら殺風景な星なのかもしれないが、彼らは心の無邪気さと、それによる喜びと愛でいっぱいだ。少しうらやましくなった。

また、一方で無邪気さに寄せて好奇心もあるだろうから、他の地域を探索しようという思いがあるのかもしれない。以上を感じ取って、この星から離脱して意識を完全にこちら側へ戻した。私は彼らをピチュール星人と名付けた。彼らは、いつだって無邪気な心も大切だと私に教えてくれたのだった。

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