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本当に良いものは、パウチできない

京都の摘みたての山椒で作るちりめんじゃこ。
弾けたばかりのポップコーン。
シナモンと、リンゴの酸味が鼻に抜けるサクサクのアップルパイ。

美味しいものには、その時々の旬があって、
時間の経過に伴って劣化していくものです。

美味しいものを欲しい時に、と、
企業努力あり私たちがつい手にとってしまう冷凍食品やレトルト食品は、
加熱と圧力に負けないような化学調味料や大量の防腐剤で時を逆らって『美味しい』を提供しています。

ボタニカルの調合を仕事にすると、
より今まで見えてこなかった加工技術や延命措置技術が鮮明になり、日々選択を迫られます。
そしてその度に、
『本当に美味しいものは、パウチにするのは勿体無い、してはならない。』
と感じます。

パウチとは、食品の延命処置の一つなんですが、
密閉シールのある「中心温度120℃4分相当以上」の加熱処理を行なったものを指します。


私たちの扱うボタニカルは、加熱により味も見た目も変わってしまいます。
インフュージョンには欠かせない、レモンやライム。
私たちはノンワックス・オーガニックの国産レモン・ライムのもぎたてを、苦味の原因となる白い内皮が入らないように薄く手でむき、残りの実はスライスして全てを低温でドライ加工しています。

コストも手間暇もかかりますが、
これは職人のこだわり。
美味しいものへのこだわり。

理想を追求する上で、本当に美味しい、と呼べるものを提供するプライドを保つのは大変。
でも、商品を手にとってくれるお客さんを家族と思えば、それは当たり前。

前に、ヒットドリンクメーカーの創業者が、『体に悪いから自分の家族には絶対に飲ませない商品を売っている』と言っていました。
私たちは、逆に、お客さんと家族の垣根はないので、
マーケティングに頼らず身内からオススメしています。

パウチしていないので、
賞味期限も早い、保存期間も短い、色も時間の経過とともに悪くなってくる。
でも、手作りを食べさせたいから、良いんです。
家族には、湯気が上がるような出来上がりのものを、美味しい時に食べさせたい。
美味しくて、安心なものが正義。

だから、同業者でも、パウチしない、というポリシーのところは勝手に家族みたいに感じたりしてます🤣

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