きだひさえ

小冊子『とまり木』を作っている夫婦の妻のほうです。 http://10marigi.i…

きだひさえ

小冊子『とまり木』を作っている夫婦の妻のほうです。 http://10marigi.info/

最近の記事

映画『タゴール・ソングス』

この映画のことを知ってからずっと気になっていた『タゴール・ソングス』。今日やっと観に行くことができた。観ながらも、観終わった今も、いろんな想いが次々に湧き出てくるので、それを少しメモしておこうと思う。 思えば、新型コロナウイルスで世の中が一変してから今日まで、映画館に行っていなかった。『映画』を観たのも(子供のアニメを除いては)とても久しぶりだった。ある一定の時間、何かひとつに集中することから遠ざかってたのだな、と思う。 映画を観ながら思うのも、変わってしまった世の中のこと

    • ばあちゃんと梅仕事

      私のばあちゃんはとにかくよく働く人だ。働くといっても、お金を得るための労働ではなくて、日々生活していくための仕事。一年中、それこそ嘘ではなく365日、手を体を動かし何かしらの仕事に取り掛かっている。 昨日は毎年恒例の梅仕事第一弾の日で、「時間あったら来て手伝ってくれないか」と言われ、ちょっと興味もあったので、初めてお手伝いをした。 内容は、梅干しを作るときに使うしそ漬けを仕込むこと。今年は自宅の分と、ばあちゃんの妹たち二人の分も合わせて、38kgの梅を漬けるらしい。38kg

      • 沖縄の日

        数年前に、当時から付き合っていた今の夫と一度だけ訪れたことのある沖縄。 本島と、石垣島と、竹富島を巡り、空気や日差し、土地や人々の雰囲気に、日本語が通じる異国の地に来たような、不思議な感覚になったことを覚えている。 その時に糸満の平和祈念公園にも足を運んだ。二人とも車の運転が出来なかったから、路線バスとタクシーで向かった。 タクシーのおじちゃんは会話の流れから、祈念公園に向かう途中、ガマに立ち寄ってくれた。畑が広がる場所にぽっかりと穴があって、下に向かって空洞が広がってい

        • 写ルンです生活

          写真を現像に出してきた。店員さんに出来上がったものを確認させてもらうときは、なぜか毎回ちょっと照れくさい。 写ルンですを使いはじめてもう5年経つ。頻繁に撮るわけではないけれど、いつもなんとなくトートバッグに入れて持ち歩いていて、これはスマホじゃないな、と思ったらシャッターを切るようにしている。 これまで撮った写真を見返すと、圧倒的に空が多い。私、空、好きなんだなぁ。 今回現像したもののなかには、息子が撮ってくれた私たち夫婦の写真もある。 まだ2歳だから、と思って出来あが

        映画『タゴール・ソングス』

          春になると

          私は、春になると新しいことを始めたくなってしまう性分らしい。 この春もまたあることに挑戦してみることにした。 きっかけは、定期的にやってくる「この先どう生きていけばいいんだろう」という迷い。 思えばいつも将来について考えている。 私は何になりたいんだろう。何になれるのだろう。 大学を卒業してはや10年弱。いまだに何者にもなれていない。それがコンプレックスになってしまっている。 夫はいつも何度も繰り返されるこの手の話をちゃんときいてくれて、アドバイスをくれる。本当にありがた

          春になると

          交差すること

          5年前の4月初旬に放課後等デイサービスで2週間ほどボランティアをしていた。 東京での仕事を辞めた後で、自由に過ごせる時間ができた私は、その少し前から興味のあった福祉の現場をみてみたくなったのだ。 住んでいた自治体のボランティア説明会に参加して、そこで紹介されたのが「放課後等デイサービス」だった。 放課後等デイサービスとは、障害のある就学児童(小学生・中学生・高校生)が学校の授業終了後や長期休暇中に通うことのできる施設です。 放課後等デイサービスは、児童福祉法に位置づけられ

          交差すること

          この日

          2年前に自分のブログに3月11日のことを書いたのを、つい最近のように覚えている。 当時生後3ヶ月だった息子は、2歳3ヶ月になった。 彼は今日も元気に夫と保育園に向かった。友だちとたくさん遊んで、先生方に可愛がってもらって、お迎えに行っても「まだ遊んでますけど?」っていう雰囲気で全然帰る気がないのを、なんとか連れて帰ることになるんだろう。帰ってきたら、夜ご飯をお腹いっぱい食べて、お風呂に入って、寝る。いつもと変わらない一日を終える。 いつもと変わらない一日、ということの尊

          10年後を想像できる?

          1月14日は成人式。14日は3連休の最終日だったので一日前倒しして式典を行う自治体が多いようで、13日には街で多くの新成人を見た。スーツや振り袖姿をみて、当時の自分をぼんやりと思い出していた。たまたま入ったスターバックスには彼らの母親と思われる2人組がお茶をしていて、人を一人二十歳まで育てあげるその強さに、まだ母親1年生の私は恐縮する。 私は今から10年前の春に二十歳になった。私の地元は8月に成人式を行う。大学進学で地元を離れていたので、成人式に合わせて実家に帰省し、振り袖

          10年後を想像できる?