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うつ状態の経過

気温がぐんぐんと上がる日が増えてきました。
それと同時に陽ざしの強さを体感するようになりました。
陽の光も、シャープなキラキラと眩しい光反射が伝わり、季節は確実に夏へと向かっていることに気づかされます。
本格的な夏を迎える前に、日照時間が少なくなる梅雨がやってきますので、生活リズムを整え免疫や自律神経を整えていきたいものです。

さて、今回は、脳の機能をふまえながら、「適応障害」や「うつ状態」の回復の目安となる段階について、書いていきたいと思います。
それぞれの生活からのストレス反応によって、うつ状態になり、休職している時に「心のエネルギー」の状態って、自分一人で考えていると、変化が分かりにくく、自分はどの段階にいるだろうと分からないことがあります。
おおまかの段階を分けて、みていきましょう。

発症初期

適応障害やうつ状態の初期は、不安感や気持ちの落ち込み、抑うつ状態が強くでます。
発症する以前、生活の中で当たり前のように楽しめていた事が「楽しい」と感じるのが難しくなります。
それに加え、物事を悲観的に考えたり、集中力も低下することもあるでしょう。
この時期をいかに環境面、心理面で安全を確保していくかがポイントとなるます。
安全確保とは、当たり前ですがゆっくり休むこと、ストレスがかかる状況から遠ざかり、無理をしないことが安全です。

何事もおっくうに感じる時期

仕事や学業、家業を休み、休養メインで過ごしていくと、初期に強く出ていた精神・身体症状(不眠、食欲減退、気持ちの落ち込み)が次第に改善してきます。
しかし、依然として意欲低下の状況は続きやすいです。

意欲低下とは、物事をやりたいという気持ちが起らず、何をしていてもおっくな感じが続く状態をいいます。
例えば、仕事や学業から離れたことで、強い不安や悲壮感は落ちついてきてはいるけれども、依然として趣味の活動すらもやりたいと思えず、ぼんやりと過ごしてしまう状態ですね。
実は、一見、ゴロゴロ・だらだらと過ごす時期は、おっくうに感じる時期を十分に経ることで、回復へと向かう大切な前段階でもあるのです。

社会参加

何をするにはおっくうで、なんとなく一日が過ぎてしまうことが続く中で、少しずつこれをしてみようなかと思う時が訪れるかもしれません。
例えるならば、全体的に毎日雲空のような心持ちだけれども、がくっと落ち込むこともなくなってきたかな?という状態です。
良いとは言えないけれど、初期に比べたら良くなっている感じです。

そんな中、少し外へと心身共に少しずつ、薄紙をはぐように、外部へとひらかれていく兆しを感じるかもしれません。

最初は、少し動いてみると思った以上に疲れたりします。
でも、休んだら、また外へ行ってみようかなと思えるレジリエンスな気持ちが少しずつ育っていっているのかもしれません。

うつ状態の回復には、おっくうな中でも自分なりに社会参加を経験し、自分なりの達成感や充実感が得れること、それは回復の大切な要素でもあります。
つまり「社会参加での成功」や「充実感の回復」を感じられて、初めて回復につながることが多いです。

一人ではなかなかこのプロセスに気が付けないことも多いのでので、日々の生活の中で、少しここは変化してきたな?という事を書き記し、振り返ってみることもいいですね。
また、診察やカウンセリング時にこうしたことを、カウンセラーやドクターと共有することで、自分を客観視しやすくはなります。

どうぞ、この生活の中での喜びの体験の回復を、一つのバロメーターとして心のとめておいて下さると幸いです。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました!

参考文献:『精神科における予診・初診・初期治療』笠原嘉著 星和書店



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