見出し画像

いつまでもそこにいれる、とか思うと、細やかな季節の変化を見逃してしまう。

乗鞍高原での滞在8日目。

マイナス21度にもなる、雪国で目覚める生活。毎日たくさんの出会いや体験があり、あっという間に時間が過ぎる。体感時間は2泊3日くらいだ。昨晩は夜遅くまで宿のオーナーたちと酒を飲んでいた。

これまで47都道府県を訪ね、多少なりとも本を読んできたから、都市で暮らしている時には"知った気"になって、あれこれ勝手に論じる。どこどこではこういった成功事例があって、失敗があって、ここの土地はこうだから、きっとこうしたらいいと思う。"無責任な評価者"として、重さのない言葉を喋る時に、一体なんのためになるんだろう。だから、私はコンサルとか広告という仕事が嫌いである。現場に根付いて、実行者となって、失敗をダイレクトに感じれるなら別だけど。


小田原、片浦地区

実体験は一見、自分の体重を言葉に載せれるかもしれないが、結局は過去の話で、運、タイミング、そういった自分以外の要素があまりに大きい。今、それが適応できるかはわからない。だから、今、この時に何ができるか。どうしたいか。頭の中では、無責任のアイディアがあふれていて、温泉に浸かっていても、頭の中でどんどんと新しいタブが生成されて、心が休まらない。心臓がずっとばくばくしているのがわかる。寒いからなのだろうか。 散歩中と、湯船に浸かっている間に、頭の回転がぐーーんと早くなって、心臓の拍動が強くなる。水をゆっくりとすすったり、体を横にしたり、めいそうしたり。手書きのノートに書き込んでみたりして、思考を、心臓を、どうにか休ませている。アイデアがたくさん思い浮かぶのは、もう、デフォルトなんだから、そこから選んで、実行したい。体を動かして、いつのまにか、拍動のことなんて忘れるくらいに、没頭したい。


長野県、上高地

乗鞍に来て、8日が経ち、たくさんの自然資源、文化資本に触れた。ゼロカーボンパークなる、地球環境や気候変動に対して、具体的に動いている人たちがいる。まだまだ活動への洞察も、理解も、少ないけど、知ったなら、行動を変えたい。例えば、普段過ごしている関東での暮らしを変容させようと思った。小田原の近くにある、箱根の山々や、伊豆半島という比較的新しい大地も、もっと探検したい。すぐ近くに素晴らしいフィールドがあるのに、いつまでもそこにいれる、とか思うと、細かな季節を見逃してしまう。


いつまでもそこにいれる、とか思うと、細やかな季節の変化を見逃してしまう。


いただいたサポートは、これまでためらっていた写真のプリントなど、制作の補助に使わせていただきます。本当に感謝しています。