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【備忘録】忘れられない出来事①

コロナが流行り始めたころ、ちょうど北海道ではやや厳しめの外出自粛要請(北海道独自の緊急事態宣言)が出された。

自治体の要請にはできる範囲で応じようとしていた私は、備蓄できる食べ物を買うために無印良品に出向いた。

そう、無印良品のレトルト食品を備蓄にしようとしていたのだ。

「どうせ食べるなら美味しいものが食べたい…」

満腹感はないのに味覚はしっかりある面倒な体質なので、多少値が張っても好みのレトルト食品が食べたかった。


お気に入りのグリーンカレーを何個かカゴに入れていると、隣に居た老年の女性に声をかけられた。

※4年前の話なので正確な会話は覚えていない。こんなニュアンスの会話だったと思ってほしい。


老年「あなたも備蓄用に?」


私「そうです。スーパーのレトルトカレーも好きですが、せっかくなら無印良品のレトルトカレーを買おうと思ってきました」


老年「わたしは初めて来店したの。あなたが選ぶものならどれでもいいから、おすすめを教えてくれないかしら」

私「!?」


責任重大だ…。

味の好みは人それぞれなのに、どれが気にいるかなんて全く分からない。


私「苦手なものはありますか?」


老年「辛いものが苦手だから、それ以外がいいわ」

私「Σ(・□・;)」


真っ先に私の大好きなグリーンカレーをおすすめしようとしたけれどこれは激辛だ…
それ以外の商品はあまり買わないので早々に提案できるカレーがなくなった…。


😦!!

そうだ、無印良品には辛さの目安がパッケージに書かれていたんだ!🌶️🌶️🌶️


私「それでしたら、カレーのパッケージに辛さの目安があるので、🌶️マークが少ない商品が辛くないですよ」

私「わたしはグリーンカレーが好きなんですけれど、これは辛いのでバターチキンカレーとか辛くないカレーという商品はどうでしょうか?」


店内で人に声をかけられると思っていなかったし、他人の買うカレーを一緒に選ばないといけなくなり少しパニック状態で会話をする。


老年「じゃあこれ(バターチキン、りんごと野菜カレー)にするわ」

私「(よ、よかった…)お手伝いできてよかったです」

老年「ところで、あなた結婚してるでしょ?」

私「Σ(・□・;)」


女性が2〜3個カレーを手にしたあと、唐突にこう言った。
ここの会話だけは一言一句間違いなく覚えてる。


私「…は、はい」


会話の流れと全く関係ない話題を急に振られて大混乱。


老年「やっぱりそうだと思ったわ。ありがとう、おすすめされたこれを買っていくわね」


レジに向かう女性
カレー売り場でフリーズする私


備蓄用の買い物をするために出掛けて他所様のカレーを選ぶことになるとは思わなかった。

急に結婚しているか聞かれたときは驚いたけれど、その女性の物腰柔らかな話し方に穏やかな気分になり、何より会話をするのが楽しかった。


しかし、ここで大きな疑問が浮かび上がる。


私は体に何かを身につけるものが苦手で、普段からアクセサリーを着けていない。

他人に詮索されてあれこれ質問されるのも避けたいので薬指に指輪すらしていない。

もちろん、この日も指輪やネックレスなどのアクセサリーは着けていなかった。

なのに、なぜ女性はあの短い会話の中からそれを言い当てたのだろう?

誕生日の今日、今更ながらあのときの出来事を振り返る。

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