「プライド②」

翌日、絵里香と真希は再び外出し、今度はブランドの服屋に足を運んだ。その時、たまたま彼女たちの友人である海斗と翔もその店に訪れていた。

絵里香と真希が店内に入ると、たまたま目に留まったのが海斗と翔だった。海斗、翔は共に大学の同級生。いつも二人は何かと一緒にいることが多かった。

「あら、海斗と翔じゃん。こんなところで何をしているの?」絵里香が驚きつつも、上品に声をかけた。


海斗が笑いながら答えた。「おっ、絵里香と真希!ただのショッピングさ。絵里香たちは?」


「私たちは服を買いにきたの。ねえ、真希?」絵里香が誇らしげに答えると、真希は苦笑いしながらうなづいた。

そして、絵里香は店内を歩き回り、試着室に何枚もの服を持ち込んだ。その中には、赤いシルクのドレスやブルーのスエードのジャケットなど、値段を気にせずに選んだ一流ブランドの服が並んでいた。

絵里香はまず赤いシルクのドレスを手に取り、試着室に消えた。数分後、彼女は試着室から出てきて、店員に対して言った。「このドレス、サイズが少し大きいわ。ウエストを少し絞ってくれる?それとヒップラインももっと高くして。」それはまるで自分の体型に完璧に合うように、とでも言いたげな要求だった。

次に彼女はブルーのスエードのジャケットを店員に見せて、「このジャケット、もう少し濃いブルーにできない?」と尋ねた。それはまるで、自分だけのオリジナルカラーを求めているかのようだった。

これらの要求に、店員はただ驚きを隠せず、絵里香の要求にどう応えて良いのか困惑するばかりだった

真希、海斗、翔の三人は絵里香の行動にただ呆れるばかりだった。海斗は頭をかきながら、「絵里香はいつもこんなんなの?」と真希に尋ねた。真希は苦笑いしながらうなづいた。

翔もまた、絵里香の振る舞いに驚きを隠せなかった。「一体何を考えてるんだろう…」「全てが金で解決するとでも思っているのか?」と、疑問の声を上げた。

服屋でも絵里香はこのような態度を貫いていた。しかし、その様子を見た真希、海斗、翔の中には、絵里香に何かしらの変化を促すべきだという気持ちが芽生え始めていた。次に何が起きるか、誰にも予測はつかなかった。

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