下積みアナの苦悩【⑧現実】

リモコン着ぐるみを着て、桜子は涙をこらえてスタジオへ向かった。顔出しの部分から見える世界は曇り一辺倒で、彼女の心情を映しているかのようだった。


番組の開始に備えて、彼女は最終チェックを行った。自分の手元の原稿のページ、高島のコーナーの順番、すべてを確認した。しかし、それでも彼女の心は不安でいっぱいだった。

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